2013年12月30日月曜日

2013年出版業界関連の気になるニュースまとめ

写真素材 足成:http://www.ashinari.com/2009/08/02-025619.php?category=376

もうすぐ2013年も終わりなので、今回は1年間を振り返って月別に「気になるニュース(電子出版界隈が中心)」をピックアップしてみます。「ボクが興味をもったこと」がピックアップ理由なので、はてブ数やTweet数も表示してますけど、ソーシャルでは反響が少ないものも取り上げています。



2013年1月のニュース


アップル、日本で電子書籍 月内にも :日本経済新聞 ※2013年1月1日


元旦から釣られたクマー! 結局オープンしたのは「月内」ではなく、3月5日でした。


楽天と岩手県、新成人にkobo Touchをプレゼントする「楽天ふるさとプロジェクト」 - ITmedia eBook USER ※2013年1月15日


楽天Koboのこういう動きをネット上だとバカにしている人が多かったですが、こういう地味な取り組みって後からじわじわ効いてくると思います。


図書館の電子書籍をより可視化する方法 - ITmedia eBook USER ※2013年1月29日


「これは面白い!」と思ったのですが、日本ではどこも始めませんでしたねぇ……辛うじて三省堂×BookLive!の「ヨミCam」がこれに近い感じですが。


2013年2月のニュース


電通がYouTubeにマンガチャンネル開設、ドラゴンボール全巻を無料配信 -INTERNET Watch ※2013年2月4日


リッチコンテンツ化の波がこれでやってくるか? と思ったのですが、意外と再生数が伸びていないのですよね。うーん、なぜだろう。


Amazon、Kindle Fire HDの売れ行きとKindleストアの状況を語る - ITmedia eBook USER ※2013年2月7日


「年末年始商戦で、Kindleストアでのコミックの販売部数が紙のそれの半数を超えた」という話。後日、Amazonの中の方に聞いたのですが、コンテンツ販売はゴールデンウィークなどの長期休暇にめっちゃ伸びるそうです。


Amazon、デジタル古物を販売するストア向け特許を取得 - ITmedia eBook USER ※2013年2月12日


「何年かして使い道が見つかる可能性があるので特許を取得しておく、といった考え方に基づいたものだから、慌てなさんな」という記事でした。まあ、実際まだ2013年時点では、デジタル古物の販売は始まってませんね。今後数年のうちに出てきそうな気がしますけど。


Amazonの日本売上高が判明 12年は78億ドル - ITmedia ニュース ※2013年2月19日


Amazonのこの数字を楽天と比較して、いろんなところが盛り上がっていたのが印象的でした。手数料売上メインの楽天と、直販比率の高いアマゾンを、単純比較はできないですよね。


2013年3月のニュース


ビットウェイとBookLiveが合併、業界再編に動くか - ITmedia eBook USER ※2013年3月1日


筆者の個人的な見解では、2012年4月に立ち上がった「出版デジタル機構」にそうした取次の事業を(段階的に)渡すのではないかと思われる

後日、実際にそういう動きが起こりました。西尾さん、お見事!


Apple、日本でのiBookstoreオープンを公式に発表 - ITmedia eBook USER ※2013年3月6日


完全ガイドをオープンから18時間くらいで公開するという無茶をやったのはいい思い出です。ちなみに直近の OnDeck Weekly 読者アンケートだと利用率は2位なのですが、実際のところはどうなんでしょうね? 配信数は以前に比べれば増えてきたのですが、配信開始が遅れ気味になるところが気になる点。


ダウンロード数1位は「エロエロ草紙」 文化庁の電子書籍配信実験が終了 - ITmedia ニュース ※2013年3月11日


いろんな意義のある、面白い実験だったと思います。


角川「BOOK☆WALKER」と凸版印刷グループの「BookLive!」が本棚連携開始 -INTERNET Watch ※2013年3月25日


本棚連携の動き、KADOKAWA関連以外は動きがなかったですねぇ……2013年を振り返る、電子出版系メディア編集長のパネルディスカッションでも話題に上がらなかったという寂しさ。まあ、DRMフリーという方向に動くのであれば本棚連携は不要なのですけど、DRMフリーのほうがハードルは高そうだもんなあ。


書籍にまつわる都市伝説の真相--委託販売、再販制度は日本だけなのか(1) - CNET Japan ※2013年3月19日

書籍にまつわる都市伝説の真相--委託販売、再販制度は日本だけなのか(2) - CNET Japan ※2013年3月21日

書籍にまつわる都市伝説の真相--委託販売、再販制度は日本だけなのか(3) - CNET Japan ※2013年3月26日


朝日新聞社、林智彦さんによる渾身のレポート。「委託販売」と「再販制度(=定価販売)」は日本だけの制度ではないという事実を、丹念な調査によって明らかにしています。


角川グループホールディングス、子会社9社を吸収合併 -INTERNET Watch ※2013年3月28日


業界関係者に衝撃が走ったニュースでした。内部ではいろいろ大変だと思いますが、外から見てると名称が変わった程度であまり変わったように見えないというのが。


アマゾン、書籍SNSのGoodreadsを買収 - CNET Japan ※2013年3月29日


日本で例えれば、「読書メーター」や「ブクログ」がAmazonに買収されてしまった、というような話。Amazonよりレビューが的確だ!と盛り上がっていたサイトだったので、離脱しちゃったユーザーも結構いるそうです。


2013年4月のニュース


BOOK☆WALKERとKDDI「ブックパス」、本棚共有を開始 - ITmedia eBook USER ※2013年4月1日


本棚連携の動き、KADOKAWA関連以外は(略)


出版者の権利議論に終止符か:法学者・実務家6名の連名で「出版者の権利のあり方に関する提言」 - ITmedia eBook USER ※2013年4月4日


終止符、打たれませんでしたねぇ……来年国会が始まったら、早々に動きがありそうです。議員立法に持ち込もうとしているっぽい。


米法廷「デジタルコンテンツの転売は著作権侵害」 « WIRED.jp ※2013年4月5日


こういう判例ができたので、Amazonもまだうかつに動けないのでしょうけど、この会社はロビー活動活発に行うので……。


LINEに3万冊配信の電子マンガ書店、対象作品購入で限定スタンプも -INTERNET Watch ※2013年4月8日


LINEに電子書籍を取り次いでいるメディアドゥは、その後、一気に株式上場してしまいました。どういう手段であれ、会員数さえ集めちゃえば勝ちなんだなあ……。


2012年の米国商業出版社純収益で電子書籍の占める割合が22.55%に:米国出版社協会発表 | カレントアウェアネス・ポータル ※2013年4月12日


重要な数字。アメリカでは、利益の4分の1がデジタルになっています。


ライトノベル強し:角川グループの電子書籍ビジネス、年間24億円規模に - ITmedia eBook USER ※2013年4月25日


さてこれが2013年度は、どういう数字になるか。いまから楽しみです。


2013年5月のニュース


INTERVIEW 遂に上陸! 「ザ・ハフィントン・ポスト」日本版・編集長のマニフェスト « WIRED.jp ※2013年5月7日


なんだかんだ言われながら、一定の地位は築いたのではないかと思います。


自炊代行を健全な業界に、ブックスキャンが「日本蔵書電子化事業者協会」発足 -INTERNET Watch ※2013年5月15日


Myブック変換協議会の投げたボールが、ちゃんと返ってきた……のはいいんですが、6月に基本方針合意というリリースが出たあと、動きが見えなくなっています。どうなってるんだろう?


アマゾン、二次創作を公認販売する Kindle Worlds を開始。作者と原作者に支払い - Engadget Japanese ※2013年5月23日


公認二次創作の場を作ってしまおうという動き。日本にもはよ!


児童ポルノ禁止法改定の真の目的は何か? 単純所持禁止、マンガ・アニメ「調査研究」への懸念 (1/3) - ITmedia ニュース ※2013年5月27日


今回は結局、改定には至りませんでしたが、推進派はまだ全くあきらめている様子はありません。被害者の存在しない「表現」を規制することに何の意味があるのか。改めて反対の意を表明しておきます。


2013年6月のニュース


楽天、出版取次3位傘下に 2000書店で受け取り :日本経済新聞 ※2013年6月4日


昨年9月のニュースで「楽天が出版取り次ぎ参入 書店で注文、0~2日で入荷」というのがあり(見落としていた)、大阪屋の買収はその延長上の動きだったようです。この買収が原因でアマゾンが大阪屋を切った、みたいな憶測が流れていましたが、時系列が逆ですね。


PFUが非破壊型スキャナ「ScanSnap SV600」を発表――蔵書電子化がさらに盛り上がる? - ITmedia eBook USER ※2013年6月13日


「ついに非破壊型が個人向けに……!」と、破壊的イノベーションを起こすのではないかという予測をしたのですが、厚みのある本をスキャンすると補正でめっちゃ手間がかかるようで、いわゆる「自炊」向けではないようです。


2013年7月のニュース


TPP交渉、著作権保護期間延長や非親告罪化を阻止するのは国民の関心 -INTERNET Watch ※2013年7月1日


青空文庫の富田倫生氏が、公の場で発言した最後の機会です。TPP交渉は、アメリカがあまりに強硬で譲らないため、2013年中にまとめることができず来年に持ち越しになっています。知財分野は特に意見がまとまらないみたい。


東京国際ブックフェアリポート:角川会長「改善ではなくイノベーションを」――図書館向け電子書籍貸し出しサービス構想など明かす - ITmedia eBook USER ※2013年7月3日


角川歴彦会長による基調講演のレポート。講談社・紀伊國屋書店と提携して図書館向けの電子書籍貸し出しサービスを推進するという宣言が、各方面にいろいろ波紋を広げました。


アップル、電子書籍の価格操作で独禁法違反--米裁判所が判断下す - CNET Japan ※2013年7月11日


予想通りではありますが、アップルは上訴するようで、まだ終結はしていません。日本でも公正取引委員会が電子書籍市場の動きを注視しているので、対アマゾンで下手な動き方をするとアメリカと同じように当局が動くという可能性も。


2013年8月のニュース


さようなら、「電子書籍」 « WIRED.jp ※2013年8月2日


仲俣暁生さんによる「緊デジ」批判。要するに、官庁主導のビジネス振興はろくなことにならない、という話。


Amazonのジェフ・ベゾスCEO、Washington Postを2億5000万ドルで買収 - ITmedia ニュース ※2013年8月6日


びっくりニュース。しかも個人で購入という。大原ケイさんがマガジン航の記事で、これはロビー活動をやりやすくするためだと看過していて、なるほどなーと。


ヴィレッジヴァンガード、電子書籍販売 専門サイトと提携 :日本経済新聞 ※2013年8月6日


Kobo、蔦屋書店 熊本三年坂店舗で国内初の書店内koboストアをオープン - ITmedia eBook USER ※2013年8月20日


この他にも、KoboはWonderGOOと提携したり大田丸と提携したり、イオンの未来屋書店が日販と組んで始めた「mibon」など、「書店などの実店舗で電子書籍を販売」という形の提携があちこちでどんどん進んだ1年でした。


プライム会員なら毎月1冊無料、「Kindle オーナー ライブラリー」始まる - ITmedia eBook USER ※2013年8月21日


ボク自身は、買おうかどうか迷った本がKindleオーナーライブラリー対応だと、迷わず借りてしまうということに気づきました。現時点で出版社の本がどのくらい対応しているか分かりませんが、KDP作品をKindle独占配信させるための施策としては成功していると言えるのかな……。


2013年9月のニュース


Amazon、紙版書籍購入者に対して無料(ないし安価)での電子本提供プログラムを開始予定 | TechCrunch Japan ※2013年9月4日


CDを購入したらMP3も無料入手できる「AutoRip」の電子書籍版である「Kindle MatchBook」のニュース。これが日本に来る前に、国内電子書店で始めておくべきだという考察記事を書きました。


海外配信の電子書籍も消費税を 出版9団体が要望書 :日本経済新聞(有料会員限定) ※2013年9月10日


難しいだろうなあ。むしろ「本は文化財なのだから、非課税もしくは軽減税率を適用しろ!」というアピールの方が、ユーザーには響きそう。消費税って、買う人が負担するものですからね。


富田倫生氏が抱いた「藍より青い」青空文庫の夢 -INTERNET Watch ※2013年9月26日


8月16日に亡くなられた富田倫生氏の追悼イベント。青空文庫の活動支援を目的とした「本の未来基金」も設立されました。


書籍の電子化代行2業者に差し止め命令 著作権侵害で東京地裁 :日本経済新聞 ※2013年9月30日


まだ地裁判決で、業者側は控訴する方針とのことなので、確定はしていません。この判決に対し、企業法務戦士さんがかなり痛烈な批判エントリーを書いています。


2013年10月のニュース


Happy Birthday KADOKAWA:KADOKAWA、合併記念で1日だけほぼ全作品が半額に - ITmedia eBook USER ※2013年10月1日


数多くの電子書店で実施された、ちょっとこれまで例を見ないような規模のフェア。合併記念の大盤振る舞いです。


「ももクロ本」の印刷部数を過少報告 ぴあが発表 :日本経済新聞 ※2013年10月17日


著者と出版社の信頼関係をぶち壊す、個人的には2013年のワースト事件。


集英社も4.4%減──出版大手10社中7社が減収、市場縮小止まらず 帝国データバンク調査 - ITmedia ニュース ※2013年10月17日


帝国データバンクの資料に「現状ではむしろ、電子書籍の台頭が紙媒体の一部需要を奪う“負の側面”が大きいようだ」と書いてあり、なんだそれ?と問い合わせをしてみたら、そう言ってる出版社が複数あったという。あまり売れてない今は「利益を圧迫する」という意見なら理解できますけど、そもそもまだ紙の売上に負の効果をもたらすほど電子の本は売れてませんよ。


藤井太洋、うめらも参加:Amazon、Kindle Serialsの日本版「Kindle 連載」を開始 - ITmedia eBook USER ※2013年10月25日


1周年に投入してきた新サービス。「成長する本」というのは、KDPではやっちゃいけないことになっているので、Kindleでは選ばれた人だけに許されたやり方です。他の電子書店ならできるんですけどね。


人気漫画、電子書籍で170カ国に即時配信 講談社 :日本経済新聞 ※2013年10月27日


雑誌掲載と同時に英語版を配信というのが凄い。正規版がなかなか手に入らないから海賊版が横行するわけで、これは正しい海賊版対策になると思います。


2013年11月のニュース


図書館総合展「"武雄市図書館"を検証する」全文(樋渡啓祐市長、糸賀雅児教授、CCC高橋聡さん、湯浅俊彦教授)−激論、進化する公立図書館か、公設民営のブックカフェか? ※2013年11月1日


図書館総合展「"武雄市図書館"を検証する」全文(樋渡啓祐市長、糸賀雅児教授、CCC高橋聡さん、湯浅俊彦教授)−激論、武雄市図書館の今後とCCC図書館の全国展開 ※2013年11月1日


いろいろ物議をかもしている「武雄市図書館」の当事者が登壇したフォーラム。糸賀雅児教授が、樋渡啓祐市長・CCC高橋聡さんと激しくやりあった様子が生々しいです。それにしても、全文で3万文字の書き起こしを、フォーラムから中1日でアップしてしまうというのは凄い。


KADOKAWAグループのEPUB制作仕様が公開 - ITmedia eBook USER ※2013年11月1日


制作仕様を公開することで、他社の制作者にメリットがあるだけでなく、対応が遅れているビューワにも大きなプレッシャーがかけられるという。これでワンソース・マルチユースが早く実現できるといいのですけど。


なぜアマゾンはKindle専用の週刊文学誌を創刊するのか? « WIRED.jp ※2013年11月13日


AmazonがKindleで発行する、新人作家専門のデジタル雑誌「Day One」についての記事。来年、日本にも来るかな?


米裁判所、米作家協会らによる「Google Books」訴訟を棄却 - CNET Japan ※2013年11月15日


長年に渡る訴訟に、ついに決着か? 米作家協会は上訴の意向を示していましたが、まだ動いたというニュースは見ていません。果たしてどうなるか。日本では、クラスアクションの対象から外れて以降、判決が出てもあまり関心が広がっていないような気がします。が、自由になったGoogleが本格稼働するのはむしろこれから、という気がするのですが。


仏議会、DRM付き電子書籍に高い税率を課す法案を可決 - ITmedia eBook USER


フランスは凄いことやりますね。


文教堂、雑誌買えば電子版無料 出版10社と組む :日本経済新聞(※会員限定) ※2013年11月26日


Amazonが日本でKindle MatchBookを展開するより先に動いたというのは評価したい……のですが、文教堂なのに honto とは全く別系統のサービスという。なぜ。


2013年12月のニュース


メディア・パブ: 大英図書館が100万点以上の画像を公開、無料で利用可能に ※2013年12月15日


「Flickr Commons」にそのままどーんと載せているというのが素晴らしい。たぶん今後、この画像を記事のアイキャッチに使ったり、本の表紙に使うケースが増えてくるのではないでしょうか。


BOOK☆WALKERで青空文庫の提供開始――理念に沿ったひと味違う取り組み - ITmedia eBook USER ※2013年12月18日


青空文庫の「本の未来基金」にポイントを利用して寄付できる仕組みを同時に提供している点が、大変な賞賛をされています。「青空文庫」を目立たない位置に表記していたり、そもそも利用していることすら隠していたりする他企業とは大違いです。こういうところで企業の姿勢が問われる。


書店で電子書籍販売へ 来春から13社、アマゾンに対抗:朝日新聞デジタル ※2013年12月22日


ボクは「なんで今さらコンソーシアム?」という感覚だったのですが、どうもネットの反響を見ていると「リアル書店で電子書籍の販売」そのものが揶揄されていて、おいおいちょっと待てよと思い、マガジン航で両方にパンチを打ってみました。いい方向へ進むといいのですけど。

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