「Facebookが広告のうっかりクリック排除方針」「打ち水する女性の写真など出版業界関連の気になるニュースまとめ #284(2017年8月7日~13日)

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 先週は「Facebookが広告のうっかりクリック排除方針」「打ち水する女性の写真」などが話題に。毎週月曜恒例の、出版業界関連気になるニュースまとめ、2017年8月7日~13日分です。

月間15億PVを誇るケータイ小説サイトを「廃れた」と言えるのか wezzy(2017年8月4日)

「切ナイ実話」はもう古い? ケータイ小説は「レイプ、妊娠、不治の病」から「暴走族、姫、溺愛」へ wezzy(2017年8月6日)

 ねとらぼなどの「ケータイ小説が廃れた」といった言説に真正面から反論した前編と、いまの流行りについて解説した後編。どっちもいいですね。なんか、暴走族を描いた少女マンガのベストセラー、紡木たくさんの『ホットロード』を思い出しました。

加Rakuten Kobo社、11月から購入済みPDF電子書籍ファイルのローカルダウンロード機能を廃止に hon.jp DayWatch(2017年8月7日)

 日本の楽天KoboではPDFを販売していないはずなので、北米に限った話と思われます。恐らく、Adobe DRM を廃止したいのではないかと。

口コミで広まっていったベストセラー。「10万人が2人に紹介したい本、それが30万部」 BEST TIMES(2017年8月8日)

 この記事は「集中提言1WEEK」という7回連続インタビュー記事の第2回。田中圭一さんの『うつヌケ』が33万部と大ヒットした理由について話を伺っています。発売1カ月の時点で「10万人が周囲の2人にすすめれば、30万人に届く」という話を「cakes」でしていたわけですが、半年後に見事達成! 同時期にぐるなびで連載され小学館から単行本化された『ペンと箸』が1万部と明暗がわかれた話が興味深い。ウェブ発作品の販売ノウハウで、小学館とKADOKAWAに差があるのかもしれません。

「週刊文春」8月9日発売号掲載記事について 東洋経済オンライン(2017年8月9日)

 東洋経済、激おこ。“週刊文春に「下ネタ中心」とか言われたくないわ!”という気持ちが文面から溢れています。“PV至上主義”って指摘は、当たってると思いますけどね。釣りタイトル多いし。

Facebook、「うっかりクリック」は広告として課金しない方針を発表 TechCrunch Japan(2017年8月9日)

 非常に歓迎したい方向性。Googleも追従して欲しい。スワイプしたはずなのにタップと誤判定されて広告が開く、みたいな経験は日常茶飯事ですからね。ただ、2秒で戻るって判定では足らないかな……タップしたら「広告を開きますか? はい/いいえ」ってダイアログを出すくらいでもいいように思います。

出版デジタル機構がNetGalleyを始めた理由 マガジン航(2017年8月9日)

 ライター/書評家の永江朗さんによる「NetGalley」のレポート。「出版社が冷静というか、冷淡なのが気になる」のは私も同じ。「7社参加」といいながら、いまだ1冊も出してない集英社とか。

「打ち水する女性」勢いあふれる白黒写真、撮影者不明とされていたが、実は… ハフィントンポスト(2017年8月12日)

 「撮影者不明」とツイートされた古い写真がバズって、結果、撮影者や発表媒体も判明したという話。「無断転載」の是非などさまざまな論点があって、教材にでも使えそうです。例えば、戦前の旧著作権法では、写真の著作物は保護期間が公表後10年間と例外的に短かった、という話とか。他の著作物と同じ死後50年になったのは、なんと1996年の改正。そのため昭和31年(1956)12月31日までに公表された写真は、現時点ではすべてパブリックドメインになっています。だからこの写真は無断転載ではあっても、著作権侵害にならないという。


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