「honto withで丸善・ジュンク堂店頭在庫の取り置きが可能に」「新潮社の小説発売前に全文無料公開」など出版業界関連の気になるニュースまとめ(2017年7月10日~16日)

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 先週は「honto withで丸善・ジュンク堂店頭在庫の取り置きが可能に」「新潮社の小説発売前に全文無料公開」などが話題に。毎週月曜恒例の、出版業界関連気になるニュースまとめ、2017年7月10日~16日分です。


クリーク&リバー、漫画家の安定収入と知的財産の管理を行う「漫画LABO」を開始! 社員として勤務し漫画制作 将来的には独自ブランドも Social Game Info(2017年7月10日)


 興味深い試み。社員として所属し給料が支払われるわけです。その代わり職務著作扱いになる(ただし印税配分もある)ということなのでしょうか? 夏目漱石が創作に専念するため朝日新聞社へ入社し職業作家になったエピソードを思い出しました。フリーランスではなかったんですよね。


ウィキペディアタウンをMLAの立場から考える マガジン航(2017年7月11日)


 MLAとは Museum(博物館)、Library(図書館)、Archives(文書館)などのこと。MLA関係者が、著作権法第1条に掲げられた「文化の発展に寄与」という目的を忘れてしまうと社会の発展を阻害する、などの厳しい意見と、ウィキペディアタウンにMLA関係者はコミットしよう、という呼びかけです。例えば、パブリックドメイン資料のデジタルデータに、なぜか無意味な「All rights reserved」が表記されていたりする事例は、まだまだたくさんあります。ウィキペディアタウンのようなプロジェクトに関わることで、従来とは違った視点を持つことができるようになる、のでしょうか。


米Amazonの2017年前半期の電子書籍トップセラー20、Amazon自社レーベル作品が12作品を占める hon.jp DayWatch(2017年7月11日)


 従来は Self-publishing が伸びていたはずですが、今回は自社レーベルの Amazon Publishing が急伸。読み放題サービス「Prime Reading」「Kindle Unlimited」が影響しているそうです。ふーむ。


【メンバー募集】ストレートエッジによる“新しい出版のカタチ”を目指すノベル事業を始めます【未経験者歓迎】 | 三木一馬 | note(2017年7月12日)


 作家のエージェント会社を立ち上げた三木一馬さんによる「プロの編集者が作品クオリティを担保する投稿サイト」という新たな試み。編集者不要論に抗いたいというメッセージには胸が熱くなります。名前が伏せられているパートナーのIT企業が気になる。なお7月27日に、フリー編集者向けの説明会を行うそうです。


「文学賞なし」で人気作家になる人のリアル 東洋経済オンライン(2017年7月12日)


 小説投稿サイト「Berry's Cafe」や「エブリスタ」などの事例。4ページ目に「本になる理由」についてこの記事の筆者の考えがまとめられているのですが、真っ先に「似た作風の本がベストセラーになった前例がある」が挙げられているあたりがなんとも。


本が店頭に並ばない!? 危機を迎える出版流通 相次ぐ運送会社の撤退に、急がれる業界横断的な流通改革 ダイヤモンド・オンライン(2017年7月12日)


 出版流通危機について。出版輸送会社の収益悪化要因の一つとして、一部のコンビニで返本を自社で行うようになったことが挙げられています。これ知らなかったのですが、つまり従来は返本のためだけにコンビニへ行くことがあったということなのでしょうか? 納品と同時に返本回収するから、無駄が省けていたという認識だったのですが。


丸善・ジュンク堂書店の店内在庫をスマホで検索→取り置き・取り寄せが可能に、「honto with」アプリの新機能 INTERNET Watch(2017年7月12日)


 店内在庫検索までは従来もありましたが、アプリ上からそのまま「取り置き」や「取り寄せ」の依頼ができるようになったことが大きな違い。とくに「取り置き」は、近所に対応丸善・ジュンク堂書店があれば重宝することでしょう。他の書店も対応するといいんだけどなあ。


「サイバー攻撃って何?」――政府の“かわいい”ハンドブック、Amazonなどで無料公開 ITmedia NEWS(2017年7月13日)


 内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が『ネットワークビギナーのための情報セキュリティハンドブック』を電書で無料配信。記事には「アマゾンジャパンのKindleストアなど」とありますが、数えてみたら27カ所ありました。せっかくなので、『電子書籍ビジネス調査報告書2016』の「半年以内に購入したことのある電子書籍ストア(PC調査)」のランキング上位だけピックアップ。以下のリンク先で無料ダウンロードできます。

1位 楽天Kobo
2位 Kindleストア
3位 Reader Store
4位 honto
5位 dブック
6位 dマガジン(配信なし)
7位 eBookJapan
8位 BookLive!
9位 BOOK☆WALKER
10位 電子貸本Renta!(配信なし)

 なお、スマートフォン調査だと少し順位が入れ替わり、以下の電子書店がランクインします。

コミックシーモア
Google Play ブックス
ブックパス


Apple社、北米・欧州などでPayPal課金にも対応、iBooks電子書籍などの購入も可能 hon.jp DayWatch(2017年7月13日)


 Appleはずっと、クレジットカードかiTunesカードだけが決済手段だったので、このPayPal対応にはちょっと驚きました。手数料はどうなるんだろう? なお、日本は未対応です。


電子出版業界、16年の売上高は3割増 NNA ASIA(2017年7月13日)


 中国の電子出版業界2016年売上高が、前年比29.9%増の5720億8500万元(約9兆5700億円)とのこと。なんて凄まじい……と思ったら、広告、ゲーム、アニメ、音楽、新聞なども含まれた数字とのこと。詳細はこちらのコメント欄参照。


新潮社、すごすぎてコピーが書けない「すごい小説」を発売前に異例の全文公開 Twitter等でのキャッチコピー案募集へ ねとらぼ(2017年7月15日)


 無料公開する理由が「キャッチコピーを代わりに書いてください!」というのは、なかなかうまいプロモーション。実際、内容もすごいらしいですが、さて売上に繋がるでしょうか? 無料で読めるのは7月27日まで。



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