「DeNAと小学館が新メディア検討の基本合意」「電通と富士山マガジンサービスが提携」など出版業界関連の気になるニュースまとめ(2017年4月17日~24日)

iPadのKindle

 毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、私が気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「DeNAと小学館が新メディア検討の基本合意」「電通と富士山マガジンサービスが提携」などが話題になっていました。


アマゾンで電子書籍を出版する流れを体験してみた PC Watch(2017年4月17日)


 仙台で行われた、KDP体験ワークショップのレポート。地方開催は初。KDPの事業部長が「電子書籍の販売のうち、米国では41%、英国では32%、カナダでも36%がセルフ出版になっている」と言っていたそうですが、これは「Kindleストア」での数字でしょうか? 日本はどれくらいなのかな?


ネット通販大手「アマゾン」が三宿で読書イベント 児童書の交換や朗読会も 三軒茶屋経済新聞(2017年4月18日)


 4月23日「World Book Day(世界本の日)」に合わせ開催される、子供への読書啓発を目的としたイベント。本のチャリティーイベント「Global Free Library」の一環で、本の交換会も行われたそうです。アマゾンジャパンが主催というのが驚き。CSR活動に予算が付くようになったのかしら?



変質する本屋大賞  毎日新聞(2017年4月19日)


 出版する側が選ぶ直木賞に対抗し、「売り場からベストセラーを作ろう」と創設された本屋大賞。かつては「アンチ直木賞」「打倒直木賞」だったのに、2017年の本屋大賞は直木賞受賞作品の恩田陸さん『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎)が選ばれました。書店員による投票で選ばれているのに、独自色が薄れてきているという指摘です。私も正直「えー?」と思いました。まだベストセラーになっていない本を発掘して世に知らしめることが、リアル書店の存在価値だと思うのですが。



麻生副総理、米抜きTPP「APECで5月協議」 日本経済新聞(2017年4月19日)


 アメリカ抜きで協定結ぶなら、アメリカの主張によって妥協することになった条件を詰め直すべきでしょう。著作権法とか、著作権法とか、著作権法とか。


Kindle Unlimited対応、新SNS「マストドン」について解説した電子書籍が早くも登場 INTERNET Watch(2017年4月20日)


 こういうのがセルフパブリッシングのいいところ。話題になった事象をすぐ本にできる。約1万6000字と、紙だと1冊にするのが難しいボリュームだけど、電子なら出せちゃう。



DeNAと小学館、新デジタルメディアを検討 ITmedia ビジネスオンライン(2017年4月20日)


 「検討すること」に基本合意しただけで、新メディアを立ち上げるかどうかは未定。IT企業の技術と、出版社の編集ノウハウを持ち寄り、相互に活かすということでしょうか。


誰でも電子書店の店主になれる講談社「じぶん書店」、一般店主の登録受付を開始、5月15日の開店に向けた準備期間に INTERNET Watch(2017年4月20日)


 現時点ではモバイルウェブしか対応していませんが、プレオープンということで本格的な評価は保留。私もひとまず自分の書店を作ってみました。私がこの「じぶん書店」を注目している理由は、出版社直営であること、バックエンドを電子取次大手のメディアドゥが提供していること、そのため他の出版社に対する横展開が容易であること、それはすなわち本棚共有が可能であること、などです。あとはどうやって流行らせるか。5月15日以降に期待です。


電通、雑誌PDFデータをマイクロコンテンツに自動変換して配信するサービス INTERNET Watch(2017年4月20日)


 電通と富士山マガジンサービスの初提携? 電通は電子雑誌書店「マガストア」を、富士山マガジンサービスは雑誌(紙も電子も)のオンライン書店「Fujisan.co.jp」をそれぞれ運営しており、C向けではライバル関係です。電通の「Magaport」は電子雑誌業務支援システムなので、B向けだから競合しないという建て付けでしょうか。もしかして、C向けでも今後何か動きがあるかも?
 なお、PDFを記事単位にバラして配信する仕組みは「dマガジン」にもありますが、この「マガポート記事サービス」では各種メディアで広く扱えるデータ形式(図に「HTML」と書いてありますね)に自動変換するとのこと。「InDesign」からHTMLを書き出すより扱いやすいのかな? 「雑誌のウェブ化」が加速しそうです。


「うつヌケ」はどうやって世に出たか NHK NEWS WEB(2017年4月21日)


 18万部突破のヒット作『うつヌケ』について、著者の田中圭一さん、KADOKAWA編集者、「note」運営会社ピースオブケイクにインタビューした記事。Twitterで出版社を募集して、電子雑誌「文芸カドカワ」で連載という話になったはいいけど、提示された原稿料では赤字になってしまう。そのため田中さんがピースオブケイクに相談、KADOKAWAと「note」で同時に連載し、双方が原稿料を支払う形になったそうです。「文芸カドカワ」で連載していたの、知りませんでした。投稿プラットフォームとしての「note」を活用した事例ではなかったのですね。原稿料を払って掲載するなら「cakes」なのでは? という素朴な疑問が。



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