「KADOKAWA・DWANGO誕生記念セール」など、出版業界関連の気になるニュースまとめ #137(2014年9月29日~10月5日)

iPadのKindle

毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「KADOKAWA・DWANGO誕生記念セール」「JTBパブリッシングがソーシャルDRMの電子書店をオープン」などが話題になっていました。

EU、電子書籍の付加価値税規則を2015年初頭に改定へ – ITmedia eBook USER ※2014年9月29日

ポイントは末尾の「電子書籍企業は、電子書籍の販売側の拠点の税率ではなく、購入者が居住する国の付加価値税を課すことになる。」というところ。インターネットによる越境取引を、利用者の居住地で付加価値税を課すようにする方向性は、EUだけではなく日本も目指しているのですが、問題は米国がどう出るか。

ドワンゴ・KADOKAWA統合 電子書籍事業や統合プラットフォームの行方は「これから考える」 – ITmedia ニュース ※2014年9月30日

10月1日に経営統合したKADOKAWAとDWANGO。「BOOK☆WALKER」と「ニコニコ静画(電子書籍)」の、二つの電子書店を同一企業グループが運営する形になるわけです。

ドワンゴは最近、定番の読書管理サイト「読書メーター」や電子書籍ビューワー「i文庫」を相次いで買収するなど、書籍/電子書籍関連の動きを加速させているが、KADOKAWAとの統合後の電子書籍事業について、川上会長は「とりあえずは今のままで、これからゆっくり考える」と話すにとどめた。

考えなしで「読書メーター」や「i文庫」を買収するなんてことあり得ないから、川上氏の脳内では何かしらの方向性はあると思うんですけど。単に「現時点では言えない」ってことなんだろうなあ。

【新文化】 – JPO、出版情報登録センター設立に向け説明会 ※2014年9月30日

わりと重要な動きだと思うのですが、日本出版インフラセンターにも、近刊情報センターにも、情報が公開されていない。説明会で配布されている(であろう)資料くらい、公開して欲しい……。

hontoアプリがリニューアル――Android版から順次公開 – ITmedia eBook USER ※2014年9月30日

主に本棚機能まわりの改善です。プログレッシブダウンロード(ダウンロードしながら読める)は嬉しいところ。あと、プレスリリースにサラッと「2014年7月、「honto」で取り扱う電子書籍については、無期限でダウンロードできるようになりました」と書いてあります。小学館コミックの期限が撤廃されただけではなかったんですね。

ちなみに2013年12月17日の調査では、SBクリエイティブ、河出書房新社、GUSH COMICS、光文社、小学館(コミックのみ)、少年画報社、筑摩書房、中央公論新社、ティアラ文庫、ハーレクイン(コミックのみ)、フランス書院、ぶんか社、プランタン出版、三笠書房などに1年間の再ダウンロード期限が残っていました。ざっと見たところ、再ダウンロード期限の表示は消えていました。やっとか!

KADOKAWA、ドワンゴ統合記念:半額祭りだワッショイ! BOOK☆WALKERでも「ニコニコカドカワ祭り」が始まるぞ – ITmedia eBook USER ※2014年9月30日

ドワンゴとKADOKAWAの経営統合記念セール。BOOK☆WALKER以外も多くの電子書店が同様のセールをやっているのですが、Kindleストアだけがなぜか「ニコニコ」がない「カドカワ祭り」になっていたり、他ストアではセール対象外の全巻セットが一時激安になっていたり、50%オフから最大70%オフに変わったりと、いろいろ変わった動きをしています。

出版状況クロニクル77(2014年9月1日~9月30日) – 出版・読書メモランダム ※2014年10月1日

毎月楽しみな、小田光雄さんの出版状況クロニクル。「現状」を把握するための情報がまとまってます。が、そろそろ「ではどうすればいいのか?」という未来指向で語って欲しいところ。「電子書籍」にも懐疑的なまま(ジャンプ+に関する記述にそれが垣間見える)ですし。

BookLive!、12月からTポイント導入へ – ITmedia eBook USER ※2014年10月1日

Tポイントへの移行は既定路線ですが、「月額ポイント購入」がなくなってしまうのが残念な人は結構多いのでは。常時16.7%割引状態でしたし。ところで、提携後に個人情報がどういう扱いになるのか、現時点では説明がないような気が……。

これからの旅の友――JTBパブリッシングが電子書店「たびのたね」をオープン – ITmedia eBook USER ※2014年10月1日

JTBパブリッシングの英断。「専用のアプリは用意されておらず、ソーシャルDRMを採用したEPUBファイルをダウンロードして読む形」なので、ユーザーは電子書店に縛られないのです。ソーシャルDRMなので、ファイルに購入者情報が刻印されています。つまり、どこかへ無断でアップロードしたりすると、誰がやったことかすぐに分かるため、それが違法利用の抑止力になるという形です。

メディアドゥ、アプリまでカバーした電子書籍販売プラットフォームを提供開始 – ITmedia eBook USER ※2014年10月2日

プレスリリースを読んだ段階では狙いがよく分からなかったのですが、この記事を読んで理解。メディアドゥが取次だけではなく、自社でストア機能(決済)とビューワ機能も提供するようになった、ということですね。ACCESS、セルシス、インフォシティ、シャープと競合になるのかな。

Reader Store、ドコモケータイ払いやトップページからの試し読みなどに対応 – ITmedia eBook USER ※2014年10月2日

Reader Storeが機能改善。2年前に比べると、めざましい進歩です(当時の決済手段はクレジットカードと「NET CASH」だけだったし、対応デバイスもReader端末とAndroid端末だけだった)。これがKindleストア上陸前であれば……と思わずにはいられない。

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