2014年1月1日水曜日

一年の始まりなので、2014年に電子出版関連でどんな動きがあるか予想してみる

新年明けましておめでとうございます

新年あけましておめでとうございます。
本年も「見て歩く者」をどうぞ宜しくお願い致します。

昨年は、最後の黒船 iBooks Store の上陸、LINEマンガ・Amebaの読書のお時間ですといったのソーシャル系プレイヤーの新規参入、ビットウェイの出版デジタル機構への吸収合併、KADOKAWAの本棚連携・合併と大規模セールなど精力的な動き、TPP知財・電子出版権・児ポ法改定の議論、自炊代行違法判決と合法化への動き、そしてなにより、Kindle Worlds・Kindle MatchBook・Kindle 連載・Day One など、次から次へと新しい手を容赦なく繰り出す Amazon の動きが目立った一年でした。

では2014年はどんな年になるでしょうか?



予測1:アメリカで電子図書館サービス最大手の OverDrive が日本へ上陸し、電子図書館界隈に注目が集まる


電子取次のメディアドゥが、11月20日に東京証券取引所マザーズ市場に上場しました。そのニュースを取り上げた「出版業界関連の気になるニュースまとめ(2013年11月18日~2013年11月24日)」でも触れましたが、メディアドゥは2012年の時点で既に OverDrive と業務提携しており、日本への展開準備を進めています。

KADOKAWA・講談社・紀伊國屋書店の日本電子図書館サービス(JDLS)はこれに事前に対抗した動きなのですが、図書館総合展のシンポジウムでJDLSは春先くらいに本格稼働という話があったので、OverDriveも同じようなタイミングで動くのではないかと思われます。他のプレイヤーとしては、大日本印刷グループの図書館流通センター(TRC)、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)辺りでしょうか。

アメリカでの OverDrive のシェアは9割以上ですが、複数のサービスを導入する図書館が多いことから、日本でもどこか1社だけが独占するようなことはないと思います。学術向け出版の活路は電子図書館方面にあると思うので、うまく盛り上がるといいですね。


予測2:タブレットの大型化と高解像度化が更に進む


「14インチで4Kディスプレイ」というモデルが、主要メーカーから次々に投入されるのではないかと思います。個人的にタブレットの大型化は必然だと思っていて、片手で持てる7インチ級、持ち運びに便利な10インチ級、大画面で楽しめる14インチ級というバリエーションに落ち着くのではないかと。実際、ノートパソコンのバリエーションは11インチと14インチが多いですからね。

正直、10インチ級だとちょっと大きさが足らない印象が拭えません。ディスプレイサイズが新書かハードカバー本と同じくらいなので、見開きで見ると「ちょっと小さいな」という感覚になります。電子雑誌なんかだと、Q数小さい文字は拡大しなきゃ読めないような感じ。

そして、画面は大きいだけじゃダメで、ある程度の解像度が必要です。Retinaディスプレイ(画素密度300ppi以上)に目が慣れてしまうと、画素密度が低いモデルだと字や線が滲んで見えるため、目が悪くなったような気がするほどです。14インチ級で1920×1200(162ppi)とか2048×1536(183ppi)だと、かなり辛いでしょうね。

ちなみに、Apple が既に12.9インチ解像度3840×2160ピクセルのタブレットを開発中で、2014年中に投入という噂が流れています。iPad Pro という名前だとか。iPad mini Retina が7.9インチで解像度2048×1536(326ppi)なので、13インチで解像度3840×2160ピクセル(339ppi)なら充分あり得そうな話だな、と。

Google から Nexus 13、Amazonから Kindle Fire HDX13 が出るんじゃないかなあ。


予測3:楽天KoboがPC向けビューワを出すのに次いで、Kindle for PC、Reader for PCが提供開始され、同時に電子雑誌に力を入れるようになる


これはもう既定路線。楽天KoboはPCビューワを第1四半期中に出すと言っているので、KindleストアやReader Storeも追随するのは間違いないでしょう。これは、電子漫画誌や電子雑誌の盛り上がりと表裏一体の動きになると思います。Kindleストアや楽天Koboには、これまで電子雑誌があまり配信されていませんでした。

正直、6インチの電子ペーパー端末や7インチクラスのタブレットで雑誌を読むのは辛いし、10インチクラスでもちょい辛い。電子雑誌を読むならいまのところ、大画面で見られるPCビューワがいいのですよね。そして同時に、大型タブレットの投入も進むという予測です。

Kindleストアや楽天Koboが電子雑誌に力を入れるときには、定期購読契約の場合はかなり安価になるとか、プッシュ型で自動配信されるといった仕組みが同時に提供されるのではないかな、と。例えば週刊東洋経済は、単号だと紙版が780円です。

ところが、Fujisan.co.jpで年間契約の定期購読をすると、紙は2割引きで1号あたり544円、電子版は単号700円が3割引きになり1号あたり480円になります。Kindleストアが定期購読契約に対応したら、年間契約で50%OFFとかやってくるんじゃないかなあ。

もしかしたら、どこかが雑誌の定額読み放題サービスを提供開始するかもしれません。小説・漫画の定額読み放題モデル(subscription)はブックパスや yomel.jp などがありますが、なぜか定期刊行物はないんですよね。[2014年1月3日追記:既に「ビューン」がやってました。ご指摘ありがとうございます。訂正してお詫びします。]

定額読み放題モデルというのは、どちらかといえば週単位・月単位など、比較的短い間隔で定期的に刊行される雑誌や漫画誌の方が向いているように思います。例えば「週刊文春、週刊新潮、週刊現代の3誌が月額2400円で読み放題!」みたいなサービス、面白いと思うんだけどなあ。月2400円は、400円×3誌×4週×50%です。


予測4:週刊少年マガジンが紙と電子の同時配信に踏み切り、週刊少年ジャンプ、週刊少年サンデーも追随し、電子漫画誌界隈が一気に盛り上がる


講談社はモーニング・アフタヌーンの電子版を既に2013年に配信(しかも紙と同日)しており、恐らく事前にいろいろ危惧された悪影響よりも、好影響のほうが大きいのではないかと想像しています。だから2014年は、いよいよ週刊少年マガジンの電子版同時配信が来るだろうと思います。

集英社の漫画誌電子版はまだテスト的な動きが多く、週刊少年ジャンプ45周年記念号が単発で、増刊号的なジャンプLIVEが2号目の配信を始めたばかりです。ただ、講談社が成功しているのを横目で指をくわえて眺めているなんてことはないと思うので、タイミングを見計らって追随するでしょう。小学館も同様です。

ただ、この辺りの動きが本格化するのは、著作権法改正で出版権の対象を電子書籍にも拡大する「総合出版権」ができてからかなあ……「海賊版対策」という大義名分が強いので、2014年早々に議員立法で決まってしまいそうな気が。

ところで、以前から、週刊少年ジャンプや週刊少年マガジン辺りのビッグネームが電子化することが、「電子書籍市場」活性化の大きなきっかけになると言われています。しかし、ただ単に「配信開始しました!」というだけではダメで、販売プラットフォーム側の決済機能が子どもにも使いやすい形になっていることが重要でしょう。多くの電子書店がコンビニで買える電子マネーに対応していますが、もう一歩先を望みたい。そもそもコンビニ行けば、マガジンもジャンプも売ってますし。


予測5:セルフパブリッシングの作家やサービスが脚光を浴びる


これは去年の予測に引き続きで、願望に近い部分はあるのですが。少なくとも、紙書籍で少部数初版のみという本が、デジタル・オンリーへと移行していくのは間違いないだろうなと。デジタルファーストで、そこそこ反響があれば紙も出す、という方向性が、今年は加速していくように思います。また、デジタル・オンリーでそこそこ稼げる作家も複数でてくることでしょう。

そんな中で、ボクも一端を担えるようにします。というか、そういう一年にします。

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