日販が取り組む月刊誌の割引販売キャンペーンの記事に感じたモヤッとしたもの

三省堂神保町本店で2014年5月に撮った雑誌棚の写真

日経新聞7月15日報道「発売から一定期間後の80雑誌を割引販売 日販、講談社などと」に対し感じたモヤッとしたものを、モヤッとした気持ちのまま書き留めておきます。結論はとくにありません。

いちばんモヤッとしたのはここ。

NTTドコモの「dマガジン」など電子雑誌の定額制サービスの台頭も、書店の雑誌販売減の一因となっている。

「dマガジン」が書店の雑誌販売減の一因だと「断定」しているのです。つまり「dマガジンが伸びたぶん書店で雑誌が売れなくなった」と誰かが言っているわけです。日販のニュースリリースにはもちろんそんなことは書いてありません。

同じく日経新聞で6月2日、「雑誌売り上げ、書籍を下回る 日販の前期、32年ぶり」という報道がありました。こちらを読んだときにも「おや?」と思ったことがあります。

なかでもコンビニの雑誌の返品率が51.2%と高く、記者会見した日販の加藤哲朗専務は「この1年でコンビニで雑誌が売れなくなった」と話した。

この1年で」が「おや?」ポイント。雑誌販売は1997年をピークにここ20年ほどずっと減少傾向なので、わざわざ「この1年で」と言うということは、なにか大きな外的要因が念頭にあるのでは、という言外の意を感じたのですね。

「dマガジン」のサービス開始は2014年6月。半年後に100万人、1年後に200万人。2016年3月末時点では325万人(出典:NTTドコモの決算説明会資料)。まだまだ勢いは止まりません。

たぶん「dマガジン」の影響がないと言ったらウソになるだろうし、そういう負の外的要因がある上でも頑張っていかなきゃならないから、大規模な割引キャンペーンを試行した上で来年くらいから本格導入に向けて動き出す、ということなのでしょうけど。

なーんかモヤッとするなあ。

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