「紙本購入履歴で電子書籍が半額になる『読割50』」「KADOKAWAブランドカンパニー消滅」など出版業界関連の気になるニュースまとめ #164(2015年4月13日~19日)

Kobo touch

毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「紙本購入履歴で電子書籍が半額になる『読割50』」「KADOKAWAブランドカンパニー消滅」などが話題になっていました。

電子書籍にもPOP付けてみる? BookRepublicの新サービス「ポップズ」 – ITmedia eBook USER ※2015年4月13日

面白そう……なんですが、惜しい感じ。POPだけがずらずら並んでいても、やはり埋もれてしまうのだな、と。あと、一覧画面は仕方がないとしても、クリックして詳細画面を開いても書影が出ないというのが寂しい。Twitter CardsやFacebookのOGPで、POPがサムネイル表示されないのも痛い。

モデルの伊藤ニーナも絶賛:楽天と幻冬舎、EC連動型ファッション誌『GINGER mirror』創刊 – ITmedia eBook USER ※2015年4月13日

GINGER mirror』創刊後に試してみました。PDFを専用ブラウザビューワで表示するような感じです。スマートフォンからの利用を前提にしたサイズになっていますね。文字もわりと読みやすい。

GINGER mirror 誌面

「CHECK!」をタップすると……

GINGER mirror 誌面から楽天市場へ

モデルの方が着ている服や小物などの一覧と、楽天市場へのリンクが張られたページが開きます。なるほど。

ブックウォーカーが紙書籍の販売をスタート、第1弾は4タイトル – ITmedia eBook USER ※2015年4月13日

ちょっと混乱させられたニュース。BOOK☆WALKERのサイトで紙書籍の通販を開始するという話なのか、ブックウォーカーが出版社として紙書籍の編集を始めたのか、記事を読んでもリリース原文を読んでも分からない。eBook USERの記事末尾は、Amazonへのリンクだし。Amazonの詳細ページ見ると、出版社名は「KADOKAWA」だし。

KADOKAWA

売り上げランキング: 19325

BOOK☆WALKER通販でも扱ってるけど、こちらは「発売元」という表記しかない。

BOOK☆WALKERの電子書籍版だと、「出版社:ブックウォーカー」になってる。

うーん、どういうことだ。

ライトノベル作家を脱税容疑で告発 東京国税局:朝日新聞デジタル ※2015年4月13日

ボクの観測範囲(作家や漫画家が多い)では、本名や年齢が公開されたことの方が大きな話題になっていました。後日、謝罪文も出ています。

作品紹介でコインを獲得、BOOK☆WALKERで独自のアフィリエイトサービス – ITmedia eBook USER ※2015年4月14日

BOOK☆WALKERも自社独自のアフィリエイトサービスを導入。1度申込みをすれば、あとはSNSへのシェアが自動的にアフィリエイトリンクになるという非常に簡便な仕組み。

いちいちASP(Affiliate Service Provider)使わなきゃいけないのって、かなり面倒なんですよね。

電子書籍も本屋で買えます。 『BooCa』をスマホで読んでみる|タブロイド – オトコをアゲるスマホニュース ※2015年4月15日

「BooCa」の紹介記事がなぜこのタイミングで? と思ったら、こんな記述が。

現在、『Booca』はいくつかの書店でテスト販売中。6月から、さまざまな書店で本格的に展開を始める予定です。

あれ? JPOの報告書にそんなこと書いてあったっけ? と思ったら、プレスリリース(PDF)に「<ステップ2(本格運用):2015年6月~ (予定 )>」って書いてありますね……見落としてた。

あと、運営が楽天になることは気付いてましたが、BookLive!と三省堂が「時期調整中」になっているのも見落としてました。楽天の特設サイトからは既にBookLive!と三省堂が消えています。「複数電子書店が参加可能な業界プラットフォームの構築」は実現できるのだろうか……? ボクは開始時に「呉越同舟」事業は成功するか?という見出しを書いたわけですが……。

紙の本を購入→将来、同じ本の電子書籍を購入するとき50%オフ、丸善などで「読割50」スタート -INTERNET Watch ※2015年4月15日

予想以上にネガティブな反応が多くて驚きました。「タダで付けろ!」という意見が結構多い。1500円で買った単行本が750円で文庫化されたとして、「単行本持ってるんだから、文庫本をタダでよこせ!」と言うんだろうか? 言いたくなる気持ちは分かりますけど。

honto(または丸善ジュンク堂)で紙の本を買う → 読む → すぐ古本屋に売る → 手元に残しておきたい場合は「読割50」で電子版を買う、みたいな形が本棚スペースを圧迫せずに済むうまい活用法なのかな。

デジタルコミックの最新動向 – SlideShare ※2015年4月15日

デジタルコミックの最新動向 from Japan Electronic Publishing Association

eBook USER 西尾編集長の、JEPAセミナープレゼン資料。後半のcomicoは取材不可でしたが、西尾さんのプレゼンで事前にかなり紹介されてて「繰り返しになっちゃいますが」と何度か言ってたのが印象的でした。まあ、書けないネタもいろいろ出てましたが。

楽天&有隣堂の複合書店で到来する? 日本型O2Oの夜明け – CNET Japan ※2015年4月15日

林智彦さんによる、O2Oの現状まとめ。Offline to Online(書店から電子書籍への誘導) ではなく、Online to Offline(ネットから書店への誘導)を図るべきでしょ! という檄でもあります。来店するだけでポイントが貯まる施策は、ヤマダ電機がやってますね。

そういえばACCESSがiBeacon1万個を無料配布してましたけど、連動した来店ポイント施策みたいなのはまだ見かけない気がします。どうなってるんだろう?

KADOKAWAが組織再編 伝統の「角川書店」消滅 :日本経済新聞 ※2015年4月16日

気になったのは「希望退職者を募集しながら重複する編集機能を集約し、人員の効率化をはかる」という記述。希望退職300人募集の第一報が出た直後に東洋経済が「グループ会社をまとめるうち、人員規模で目立って過大になっていたのが、人事などの管理部門だ」という解説記事を出していたのですが、さてはて。

スマホで「雑誌読み放題」人気はどこまで? | 企業戦略 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト ※2015年4月17日

dマガジンの最新情報。2015年3月末で会員数190万件を突破しているそうです。しかしMAU(Monthly Active Users)率2割強ってのは、あまりよろしくない状態。

出版社にとっては、かなり大きな収益源になりつつあるようです。

ハーパーコリンズ、日本に本格進出――ハーレクインは社名変更 – ITmedia eBook USER ※2015年4月17日

世界第二位のハーパーコリンズが日本へ本格進出。というかハーレクインを買収して、ハーパーコリンズ・ジャパンに社名変更するそうです。ハーレクインの社名は消えるけど、ハーレクインブランドは残るようで。

ビジネス書のポイントが5分で分かる、オトバンクの要約サービス「FeBeダイジェスト」 – ITmedia eBook USER ※2015年4月17日

要約サービスというと、どうしても「ゲンロンサマリーズ」騒動を思い出してしまうのですが、この「FeBeダイジェスト」はちゃんと「出版社協力の下で」執筆されているそうです。

子供の書籍離れなど無い…小中高校生の平均読書冊数などをグラフ化してみる(2015年)(最新) – ガベージニュース ※2015年4月19日

全国学校図書館協議会が毎日新聞社と共同で行っている、全国小・中・高等学校の読書状況調査。元サイトにもグラフは載っていますが、雑誌との比較という視点は興味深い。

タイトルとURLをコピーしました