「出版デジタル機構新役員を選定」「プレイコミック、ジャンプ改休刊」など出版業界関連の気になるニュースまとめ #123(2014年6月23日~29日)

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毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「出版デジタル機構新役員を選定」「プレイコミック、ジャンプ改休刊」などが話題になっていました。

電子書籍ビジネス調査報告書2014:2013年の電子書籍市場は936億円――ケータイ向け市場は大きく縮小 – ITmedia eBook USER ※2014年6月24日

昨年の予測で2013年度は930億円だったので、予測より少し上だったということになります。ちなみに「PC向け」というのは、PC向けだけに配信しているサービスなので、減少要因はマルチプラットフォーム化ということになるでしょう。しかしケータイ向け市場の減少速度、恐ろしいな……。

インプレスR&D、ウェブの書斎でプリント・オンデマンド書籍販売の第2弾を開始 – ITmedia eBook USER ※2014年6月24日

ウェブの書斎」は大日本印刷が楽天市場の中で運営しています。なにげに三省堂PODも楽天市場にありますね。Amazon PODとの競争になっていくのかな。

出版デジタル機構、新役員を選定 共通書誌情報システムの構築などに意欲 – ITmedia eBook USER ※2014年6月24日

会長の植村八潮氏、社長の野副正行氏が退任。野間省伸氏(講談社社長)、堀内丸恵氏(集英社社長)、相賀昌宏氏(小学館社長)も取締役を退任。お疲れ様でした。今後は共通書誌情報システムの構築や、図書館での電子書籍の適正な利活用事業に取り組むそうです。

コミックナタリー – 秋田書店のプレイコミックが次号で休刊、46年の歴史に幕 ※2014年6月25日

コミックナタリー – ジャンプ改が11月号をもって休刊 ※2014年6月25日

立て続けに漫画誌休刊。認知メディアはWebコミックやマンガアプリへ移行していく流れでしょうか。

NYタイムズはデジタル企業への脱皮をめざす « マガジン航[kɔː] ※2014年6月25日

ニューヨーク・タイムズのデジタル戦略レポートが、概要だけでも興味深い。

  • 新聞社がネット配信をしているのではなく、デジタル企業が新聞を出していると思うこと
  • ニュース編集部とテクノロジー・チームとの垣根を取り払わなければならない

どの企業も、こういう部分で苦しんでいるのだなあ、と。

Reader StoreのiOSアプリ、バージョンアップで書籍コンテンツにも対応 – ITmedia eBook USER ※2014年6月25日

Reader Store、ブラウザビューワの提供開始 – ITmedia eBook USER ※2014年6月26日

Reader Storeが連続でアップデート。以前に比べれば、格段にサービス拡充されています。もうちょっと早く動いていれば……と思わなくもないですが、海外から撤退してリソースを国内に集中させたから、今後はもっと改善が早く進むかも。

しかし、電子書店各社のブラウザビューワ対応がどんどん進んでいます。主だったところではニコニコ静画(電子書籍)・Yahoo!ブックストア・GooglePlayブックス・電子貸本Renta!・BookLive!・eBookJapan・コミックシーモア・Reader Storeなど。ちなみにGALAPAGOS STOREは「3月から」だったはずなのですが……。

UPDATE 1-米バーンズ&ノーブル、電子書籍事業スピンオフへ 株価上昇 | マネーニュース | 最新経済ニュース | Reuters ※2014年6月26日

スピンオフ = 分離・独立です。大原ケイさんがnoteに「NookはB&Nという親から捨てられるのではなく、自立して電子教科書という子どもを産むのかも」という解説記事を書いています。

仏議会で「反アマゾン法」可決、オンライン書店の無料配送禁止 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News ※2014年6月27日

フランスの「文化保護」政策は徹底してますね。強い意志をもって「消費者は、文化のためなら不便なのは我慢しろ、コストを負担しろ」という方向へ突き進んでいます。凄い。

Kindleの電子書籍に消費税適用へ 2015年度から Googleの広告にも ※2014年6月28日

いくつかの点でダメ記事なのでピックアップ。

  • Amazonとエージェンシーモデルで契約している講談社・集英社・小学館の作品(かなりの割合を占める)は、Kindleストアで消費税込みで配信している
  • 引用されている「大和総研の米川誠主任コンサルタントの指摘」は、上記エージェンシーモデルを考慮していない上に、OnDeck weeklyの読書アンケート(対象が業界関係者に偏っている)を根拠にしているため、数値が信用できない
  • 逆のパターン(日本企業が海外に輸出販売)も同様である点の指摘がない
  • 額で言えば広告の方が圧倒的にでかいのに、「Kindleストアの電子書籍に消費税」という “分かりやすい” キーワードで釣っている

コンテンツの越境取引に消費税という話題が挙がったら、上記のような点に注意してみましょう。

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