「リアル書店で電子書籍が買えるBooCa」「Googleブックスキャン訴訟決着」など出版業界関連の気になるニュースまとめ #122(2014年6月16日~22日)

Nexus 7 の Reader

毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「リアル書店で電子書籍が買えるBooCa」「Googleブックスキャン訴訟決着」などが話題になっていました。

楽天とBookLive!が参加――リアル書店で電子書籍が買える「BooCa」 4書店で提供開始 – ITmedia eBook USER ※2014年6月16日

昨年末に朝日新聞が「ジャパゾン」と書いて、ネットユーザーからの猛烈な批判を浴びた(ボクは違った角度から批判しました)「電子書籍販売推進コンソーシアム」の成果。まあ、サービスのメインターゲットがネットユーザー以外なので、ネットユーザーから批判されるのは折り込み済みみたいですが、JPOがやっているという1点で別の方向から批判されちゃってるのがもったいないなあ、と。ボクも取材に行ってきたので、改めて記事を書く予定です。

加Kobo、EPUB 3ファイル入稿に関する仕様ガイドラインをGitHubで公開 – ITmedia eBook USER ※2014年6月16日

日本では既に昨年「KADOKAWA-EPUB 制作仕様」が公開されています。こういう動きがもっと広がっていくといいですね。

Koboとソニー、新たな電子書籍リーダーで協力か? – ITmedia eBook USER ※2014年6月16日

ソースが Good e-Reader 独自入手情報ということで、眉に唾しておく必要があるとは思いますが、本当であれば歓迎すべき動き。というか、GooglePlayが使えるE INK端末を出してくれればそれで済むのですがががが。ユーザーが任意で選べる形の方が、受け入れられやすいですよ。

【新文化】 – 「デジタル・オンデマンド出版センター」を設立、テスト販売へ ※2014年6月16日

「絶版書籍を1冊から復刊できる」という、PODを使った興味深い動き。公式サイトにスキーム図が載っているのですが、「BookScan」ってあのBookScanでしょうか? 「運営6社」の名前が、どこを見ても4社までしか載っていないのですが……いろんな意味で興味深い。東京国際ブックフェアに出展し、セミナーもやるみたいなので、見てこようと思います。

オーストラリア図書館協会、図書館における電子書籍貸出サービスの状況に関する調査結果を公表(2014年) | カレントアウェアネス・ポータル ※2014年6月17日

2014年調査では97%の図書館が電子書籍を貸出している

すごい! 日本とは大違いですね。

コミックシーモアに新機能、専用アプリが不要な「ブラウザ読み」がスタート – ITmedia eBook USER ※2014年6月17日

ボイジャーの「BinB」を使ってますね。気がついたら、いろんなところに導入されています。2年前からYahoo!ブックストアで運用してますから、その実績が大きくアピールできているのかな。ウェブサイトに導入実績一覧とかあると、もっとアピールできると思うのですががが(「報道資料」には全部載っていないっぽ)。

Apple、Amazonが閉めだしたHachette本の予約コーナーをiBookストアに開設 – ITmedia ニュース ※2014年6月18日

なにしろAmazon自身が「お急ぎの場合は競合他社でどうぞ」と言ってるくらいなので、他社がこういう動きに出るのは当然のこと。弱みを見せたら叩かれる。日本でもこういうこと、いずれ起こるだろうなあ。

ドコモ、電子雑誌が読み放題「dマガジン」6月20日開始 – ケータイ Watch ※2014年6月18日

ついにサービス開始。なにしろ月額400円ですから、ドコモショップ窓口で強力な営業かけて、かなりのベース売上を早期に作っちゃうだろうなーと予測しています。ちなみにビューワはBOOK☆WALKERが提供してます。

アマゾンに出荷やめた出版社支援 有隣堂がフェア開催へ:朝日新聞デジタル ※2014年6月18日

有隣堂は、Kindle Paperwhiteを売ったり、「BooCa」をやったりと、積極的なところが凄いですね。これも、機を見るに敏というか。

BookLive!、48時間限定の配信サービス「2daysサービス」を開始 – ITmedia eBook USER ※2014年6月18日

電子書籍のレンタルは、パピレスの「電子貸本Renta!」や、NTTソルマーレの「シーモアレンタル」の方が先行していますが、閲覧期間内(48時間)しかアップグレードできません。BookLive!の2daysは、閲覧期間終了後7日間はアップグレードできるのが強み。ただし、通常版との差額ではなく追加料金なので、はじめから通常版を買った方が若干安いようです。むむむ。

Apple、電子書籍エージェンシーモデル訴訟で和解に合意 – ITmedia エンタープライズ ※2014年6月19日

どうもこのITmediaの記事は事実関係が若干混乱している(エージェンシーモデルそのものが違法なのではなく、共謀して販売価格を釣り上げた行為が反トラスト法違反だと言われている)ようですが、ひとまず消費者団体による集団訴訟だけが和解したということのようです。司法省との反トラスト(独占禁止)法違反をめぐる争いは上訴審でまだ続いていて、その判断がどうなるか次第、という状況みたい。うう、ややこしい。

Googleによる大学図書館の書籍スキャンは合法との上訴審判決が下る – GIGAZINE ※2014年6月21日

Authors Guildが控訴したのが昨年末ですが、判決まで早かったですね……地裁での争いは2005年から始まり、和解案却下など紆余曲折あったわけですが。これでついに決着?

【新刊!】アニメ監督一家の物語・記伊孝さんの『アニウッド大通り』が、星海社COMICSで単行本化決定! | 最前線 – フィクション・コミック・Webエンターテイメント ※2014年6月20日

ニコニコ静画(マンガ)で連載、電子版単行本をKindleダイレクト・パブリッシングで自ら出版していた記伊孝さんの『アニウッド大通り』が、ついに商業化! おめでとうござざいます!!

アニウッド大通り 1 (アニメ監督一家物語)

アニウッド大通り 1 (アニメ監督一家物語)

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記伊孝 (2014-01-30)

もともとプロで活躍されている方ですが、『アニウッド大通り』は全てご自分でやられていたのですよね。鈴木みそさんに続く、セルフパブリッシングからの新たな成功事例(ちょっとパターンは違いますが)として、あちこちのメディアが取り上げてくれるんじゃないかな? きっと忙しくなりますよ。

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