電子出版のシビアな現実と、埋もれないためにはどうすればいいのか? という具体的な方法論

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先日書いた「電子出版のシビアな現実と、埋もれないためにはどうすればいいのか? という方法論」の続きです。今回はより具体的に。

前回の記事で、ボクはこのようなことを書きました。

では、埋もれないようにする、ロスをなるべく少なくするにはどうすればいいのか。ボクは「継続すること」と「なるべく多くの人の心に響くよう努力すること」以外に、近道はないと思っています。

これを受け、「R-style」の倉下さんが、こんな記事を書いてくれました。

同意ですが、

「継続すること」

「ある人の心に響くように努めること」

「なるべく多くの人に作品を届けるよう努力すること」

という風に分解したくなります。

R-style » 電子書籍作家の活動 あるいは継続・入魂・告知について

「なるべく多くの人の心に響くよう努力」を、「作品への入魂」と「告知活動」に分解したわけです。なるほど確かに、この方が分かりやすいですね。

埋もれないようにするには「告知」が必須

いい作品を書く・描くことはもちろん大切だし、書き続けること・描き続けることも大切です。しかし、埋もれないようにするには「告知」が必須です。

デジタル化・ネットワーク化によって、従来より「出版」のハードルは飛躍的に低くなっています。Web上に無料で公開されている作品だって山ほどあります。無料で公開されていて、結構面白いのにあまり認知されていない作品だっていっぱいあります。

書籍は財の消費過程で特徴を理解できる「経験財」や、本質的に特性を理解できない「信頼財」だという。つまり、書籍の表紙やタイトルだけで評価するのは難しく、他者の感想や書評を通じて価値を理解し購入に至るため、リコメンドコストが大きいという。

JEPAセミナーリポート:検証、電子書籍をめぐる「10の神話」 – ITmedia eBook USER

つまり、どれだけ素晴らしい作品であろうと、第三者に読んでもらった上で、その作品の素晴らしさがさらに別の人へ伝えられて初めて「素晴らしい作品」だということが認知されるわけです。まず読んでもらわないと始まらないわけですから、結構ハードルが高いわけです。

どうやって告知をすればいいのか?

紙の本の場合、なるべく多くの書店に配本される(要・初版部数=大きなコスト)ことから始まり、棚差しではなく平台(しかも出入口目の前など目立つ場所で)に山積みされ、目立つようPOPが付けられることで、売れ行きが変わります。

では、電子の本の場合はどうか? やれることは「電子書店の中」と「電子書店の外」に分解できるでしょう。

「電子書店の中」でできること

  • 作品のタイトルを工夫すること
  • カバー画像を工夫すること
  • 作品に付帯する情報(メタデータ)を充実させること

タイトル・カバー画像は、作品の「顔」です。初めて会う人の第一印象は「容姿(髪型、服装などの身だしなみや、表情も含む)」によって決まるのと同じように、タイトル・カバー画像は第三者に初めて目に留まる作品の一部ですから、非常に大切です。

最近のライトノベルはタイトルが文章になっていて、タイトルを読めばだいたい内容が類推できる作品が多くなっています。これは、世の中には情報があふれているため、「パッと見てすぐ分かること」が求められているからだと思います。

最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。 いや、かなりアブない学園祭 (富士見ファンタジア文庫)

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KADOKAWA / 富士見書房 (2014-01-18)

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表紙の重要さは言わずもがな。

作品に付帯する情報(メタデータ)は、まずなんといっても「作品紹介文」です。例えばKindleダイレクト・パブリッシングの場合、最大4000字まで書くことができます。もちろん長けりゃいいってものでもないですが、どんな作品かを購入してもらう前に伝えられるわけですから、興味を持ってもらえるような工夫をできるだけ凝らすべきでしょう。例えばビジネス書の場合、目次に書いてあることは作品紹介にも記載しておいた方がいいです。

また、Amazonの場合、書影以外にも画像が追加できるのはご存知でしょうか?

Amazonの[自分のイメージを掲載する]リンク

書影の下に[自分のイメージを掲載する]というリンクがあります。これは「カスタマーイメージ」といって、実は誰でも利用できるサービスです。キャプションやメモも入れられます。

判断材料はなるべく多いほうがいいと思い、試しに Kindle Paperwhiteで表示した写真を載せてみました。「電子書籍」に実体感を持たせるには、こんな方法もアリかな? と思います。

月刊群雛2014年5月号

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「電子書店の外」でできること

こちらに関しては、「日本独立作家同盟」で以前「無名の個人作家が利用可能なプロモーション手段のざっくりまとめ」という記事を書きましたので、そちらを参考にして下さい。見出しを挙げると、以下の様な感じです。

  • ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を利用する
  • ブログを利用する
  • 宣伝・告知をしてくれるサービスやウェブサイトを活用する

3つめには、例えば昨日紹介した電子書籍の献本サービス「KENPON」も含まれます。

この記事に1つ付け加えるとすると、2番めの「ブログを利用する」のにあたり、なるべく早めに独自ドメインを取得しておいた方がいいように思います。それは、「仕様変更」や「巻き添え」が起こる危険性があるからです。

ボクはBloggerを使っていますが、突然の仕様変更でパーマリンクがおかしくなってしまいました。以前は .comドメインで固定だったのですが、勝手に国別ドメインへリダイレクトされる(日本からアクセスすると.jpになる)ように仕様が変わり、それ以前のTwitterやはてなブックマークなどの数字を表示するのが難しくなってしまいました。

いずれ対処方法が見つかるだろうと1年我慢しましたが、結局ダメで、独自ドメインに切り替えることになりました。 2013年1月21日より前の記事が、Twitterやはてなブックマークなどの数字が極端に少なくなっている(ように見える)のはそれが理由です。

また、GoogleやFacebookなどの巨大プラットフォームから、ブログサービスの提供元がドメインごとまとめてペナルティを食らってしまう可能性もあります。例えば、現在すべてのlivedoorブログは、FacebookにURLが貼れない状態です。

Facebookに投稿できない

こちらは小飼弾さんのブログ「404 Blog Not Found(http://blog.livedoor.jp/dankogai/)」をFacebookに投稿しようとして、ブロックされた画面です。小飼弾さんは何も悪くないのに、livedoorブログ全体が遮断されてしまったため、巻き添えを食らっているのです。

これがもし http://www.dankogai.com/ といった独自ドメインで運用していたら、巻き添えを食らわずに済んだわけです。レンタルオフィスの同居人で悪いことしたやつの巻き添えを食らい、Amazonにアカウントを止められた話と似ていますね。

後から独自ドメインに切り替えると、それまで積み重ねてきた「ドメインの強さ」は失ってしまいます。Web上の影響力は徐々に積み重ねていくものなので、ドメインを変えると「育て直し」になります。

であれば、独自ドメイン運用への切り替えは、早ければ早いほうがいいわけです。少なくともボクは、もっと早く独自ドメインにしておくべきだったと悔しい思いをしました。

といった話で締めて「お名前.com」の広告をペタリ。

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