出版業界関連の気になるニュースまとめ #84(2013年9月16日~2013年9月22日)

iPadのGALAPAGOS

出版業界関連でボクが気になった先週のニュースについて、コメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。

誰もが驚く“ツタヤ図書館” 次代のモデルケースになれるか (1/6ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ) ※2013年9月16日

佐賀県の武雄市図書館、成蹊大学図書館、和歌山県有田川町の町地域交流センターALECという電子図書館を、好意的に取り上げた記事。ただ、武雄市図書館×TSUTAYAが批判をされていたのは施設より、Tカードによる個人情報の利用に関するところだと思うのですが。

青空文庫プロジェクトの成果/山形浩生(評論家兼業サラリーマン) (PHP Biz Online 衆知(Voice)) – Yahoo!ニュース ※2013年9月16日

亡くなられた富田倫生さんと、青空文庫プロジェクトの成果、著作権保護期間延長問題についてのコラム。日本の電子書籍ビジネス分野がうまくいかなかった理由を、ちょっと単純化し過ぎている気もしますが。

hon.jp DayWatch – Google社、電子書籍ストア「Google Playブックス」の販売管理画面「パートナーセンター」を強化 ※2013年9月17日

少し前からGoogleブックスのパートナーセンターが使えなくなっていた(入り口が隠匿されていた)のですが、リニューアルの準備をしていたようです。個人作家が利用できる販売プラットフォームとして、魅力的な選択肢になれるかな……? 早速試してみましたが、登録から5日経ってもまだ配信開始されず。まあそれは、iTunes Connect も同じなんですけど。

【ハウツー】品揃えは? 使い勝手は? 国内主要電子書籍ストアまとめ (1) 国内主要電子書籍ストアその1 | Android(アンドロイド)情報の総合ポータル – AndroWire ※2013年9月18日

Kindleストア、eBookJapan、honto、BookLive!、koboイーブックストア、Reader Store、紀伊國屋書店ウェブストア、BOOK☆WALKER、MAGASTORE、GALAPAGOS STORE、iBookstoreのざっくりとした紹介記事。こういう比較が、もっといろんなところから出てくるといいのですが。

オールアバウト、コンテンツマーケティング支援サービスを開始 – ITmedia eBook USER ※2013年9月18日

最後の1行を見てびっくり。

同サービスは10本ほどの記事コンテンツを再編集する場合で50万円から。

なるほど、企業を対象としたビジネスというわけですね。オールアバウト的には、制作したコンテンツが売れなくても、制作費用だけでペイできる。なるほど。

ゴマブックス、電子書籍投稿サイト「BookSpace」をオープン – ITmedia eBook USER ※2013年9月19日

ブクログのパブー」や「BCCKS」のように、個人作家がコンテンツ制作と販売ができるプラットフォームと同時に、Kindleストアなどの大手電子書店への流通(ディストリビューション)サービスを提供しています(記事中で例示されているパピレスのupppiは、ディストリビューションサービスは手がけていないはず)。文章のみで、原稿中の画像は非対応。価格変更不能、配信後に中身の変更不能。そして、毎月固定で費用がかかるというのがネック。出版社が手がけているという意味では新しいか。

デジブックジャパンに特別清算の開始決定 – ITmedia eBook USER ※2013年9月19日

フィーチャーフォン向けの電子書籍取次業務をやっていた会社。2012年12月に株主総会で解散を決議しているので、精算は既定路線ではありますが。フィーチャーフォン向けコンテンツ(ゲームや音楽も)事業の凋落といったら。

欧州委員会が2015年からVATルールを変更、Amazonなど米国系電子書籍ストア大手を完全包囲へ – ITmedia eBook USER ※2013年9月19日

付加価値税(日本の消費税相当)の、国家間格差問題に対する動き。日本でも先日、出版系団体が政府に要望書(※日経有料会員限定)を出していますね。

EBook2.0 Magazine – 英国の調査が明らかにしたKindle独占 ※2013年9月19日

英国の電子書籍市場は、Kindleのシェアが79%だそうです。日本は約4割(※日経有料会員限定)とのことですが、今後どうなっていくことやら。

朝日新聞デジタル:「選ばれた」うそ告げ自費出版勧誘 出版社を業務停止 – 社会 ※2013年9月20日

「自費出版」というのは、上記のオールアバウトが始めたコンテンツマーケティング支援サービスと同様に、メインのお客様は消費者ではなく、クライアントである著者です。それ自体は確実にニーズがあり、違法性もないまっとうな商売なのですが、不実告知がいけない。売上欲しさに嘘ついちゃう営業っていますからね。

ペガサス文庫 ラノベ世代のエッチな官能小説レーベル ※2013年9月20日

エンターブレインから、ボーンデジタル・R18の新レーベルが誕生。作家・作品募集もしています。配信電子書店は、BOOK☆WALKER、Kindleストア、ニコニコ静画(電子書籍)、Yahoo!ブックストア。BOOK☆WALKERはこの辺りのラインアップを今後強化していくのか、ほぼ同時にセーフサーチ機能をリリースしています。

電子書籍・音楽の関税ゼロ TPPで合意へ :日本経済新聞(※有料会員限定) ※2013年9月22日

こちらはTPP関連。国境を超えた取り引きでも、コンテンツ配信に関しては関税はゼロにしようということで合意したそうです。

昭文社、スマホで地域の特産品販売 :日本経済新聞(※有料会員限定) ※2013年9月22日

出版社が、出版物に関連する、出版以外のビジネス展開を始めるという試み。商品のオンライン発注と物流に関してはAmazonや楽天が2歩も3歩も先をいっているわけで、どうやって差別化していくのでしょうか。うまくいくといいのですが。

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