本屋大賞2013を、百田尚樹さんの「海賊とよばれた男」が受賞しました。そこで、ノミネート作品公表時点(1月21日調査)と、現時点(4月9日)での電子書籍化状況を比較検証してみました。調査対象電子書店は以下の10ヶ所です。
honto
BookLive!
Kinoppy
楽天Koboイーブックストア
GALAPAGOS STORE
Kindleストア
Reader Store
BOOK☆WALKER
eBookJapan
調査対象は以下の11作品です。
『海賊とよばれた男』 百田尚樹(著)講談社 \大賞!/
『きみはいい子』 中脇初枝(著)ポプラ社
『屍者の帝国』 伊藤計劃×円城塔(著)河出書房新社
『晴天の迷いクジラ』 窪美澄(著)新潮社
『世界から猫が消えたなら』 川村元気(著)マガジンハウス
『ソロモンの偽証』 宮部みゆき(著)新潮社
『百年法』 山田宗樹(著)角川書店
『ふくわらい』 西加奈子(著)朝日新聞出版
『光圀伝』 冲方丁(著)角川書店
『楽園のカンヴァス』 原田マハ(著)新潮社
『64』 横山秀夫(著)文藝春秋
まとめ(集計表)
なお、(配信開始日不明)となっているのは、書籍の詳細ページに配信開始の日付が記載されていないことを意味します。ストアによっては底本の販売開始日だけが記載(ずるい)されていたり、配信開始日は記載されていなかったりする(ずるい)のです。また、新着情報を書籍の詳細ページ以外で別途配信している場合でも、調べるのが面倒なので配信開始日不明扱いにしてあります。ご了承下さい。
『海賊とよばれた男』 百田尚樹(著)講談社 \大賞!/
前回調査時点から3ヶ月以上経ちますが、相変わらずいずれのストアにもありませんでした。
honto ×
BookLive! ×
Kinoppy ×
楽天Koboイーブックストア ×
GALAPAGOS STORE ×
Kindleストア ×
Reader Store ×
BOOK☆WALKER ×
eBookJapan ×
電子化には積極的な講談社がこの体たらくなので、恐らく百田尚樹さんが何らかの理由で電子化を拒んでいるのでしょう。大賞なのにもったいない。実は他の著書も、一切電子化されていません。唯一「永遠の0」を原作とした漫画だけが、電子化されています。
「永遠の0 1巻」百田尚樹(原作)須本壮一(著)マガジンハウス [BookLive!]
『きみはいい子』 中脇初枝(著)ポプラ社
こちらも相変わらず、いずれのストアにもありませんでした。
honto ×
BookLive! ×
Kinoppy ×
楽天Koboイーブックストア ×
GALAPAGOS STORE ×
Kindleストア ×
Reader Store ×
BOOK☆WALKER ×
eBookJapan ×
こちらの場合、そもそもポプラ社発行で電子化されている書籍が極めて少ない(怪盗ルパン全集14冊+4冊程度)状況下なので、著者側ではなく出版社側の問題でしょう。ちなみに中脇初枝さんの、マガジンハウスから出ている「魚のように」は、電子化されています。
「魚のように」中脇初枝(著)マガジンハウス [BookLive!]
『屍者の帝国』 伊藤計劃×円城塔(著)河出書房新社
こちらは前回調査時点から既に電子書籍化されており、多くの電子書店で配信済みでした。
honto(前回調査時より◯)
BookLive!(前回調査時より◯)
Kinoppy(前回調査時より◯)
楽天koboイーブックストア(前回調査時より◯)
GALAPAGOS STORE(前回調査時より◯)
Kindleストア × → ◯(2月15日配信開始)NEW!
Reader Store(前回調査時より◯)
BOOK☆WALKER ×
eBookJapan(前回調査時より◯)
Kindleストアが追加されていました。
『晴天の迷いクジラ』 窪美澄(著)新潮社
こちらは前回調査時点から既に電子書籍化されており、多くの電子書店で配信済みでした。
honto(前回調査時より◯)
BookLive!(前回調査時より◯)
Kinoppy(前回調査時より◯)
楽天Koboイーブックストア ×
GALAPAGOS STORE(前回調査時より◯)
Kindleストア(前回調査時より◯)
Reader Store(前回調査時より◯)
BOOK☆WALKER ×
eBookJapan ×
ちなみに新潮社は、hontoやGALAPAGOSやReaderには1600~1700冊くらいが配信済みなのですが、Koboにはなぜか250冊程度しか配信されていません。XMDFからEPUBへの変換がなかなか進んでいないのでしょうか?
『世界から猫が消えたなら』 川村元気(著)マガジンハウス
前回はいずれのストアにもありませんでしたが、今回は多くのストアに並んでいました。
honto × → ◯(3月22日配信開始)
BookLive! × → ◯(3月22日配信開始)NEW!
Kinoppy × → ◯(配信開始日不明)
楽天Koboイーブックストア × → ◯(配信開始日不明)NEW!
GALAPAGOS STORE × → ◯(配信開始日不明)NEW!
Kindleストア × → ◯(3月22日配信開始)NEW!
Reader Store × → ◯(3月22日配信開始)NEW!
BOOK☆WALKER ×
eBookJapan × → ◯(配信開始日不明)
恐らくどのストアも、3月22日ごろから配信開始されていると思われます。本屋大賞発表までにはなんとか間に合わせた、という感じですね。
『ソロモンの偽証』 宮部みゆき(著)新潮社
相変わらず、いずれのストアにもありませんでした。
honto ×
BookLive! ×
Kinoppy ×
楽天Koboイーブックストア ×
GALAPAGOS STORE ×
Kindleストア ×
Reader Store ×
BOOK☆WALKER ×
eBookJapan ×
宮部みゆきさんは、朝日新聞朝刊連載の新作「荒神」も、当初「Lideoでも同時配信!」というニュースが流れて、後ほど訂正され配信中止になったというような"事件"がありました。著者名で検索しても、宮部みゆきさんの著書を原作とするコミックしか見つかりません。基本的に電子書籍はあまりお好きではないのでしょうね。
「ブレイブ・ストーリー ~新説~ 1巻」宮部みゆき(原作)小野洋一郎(著)新潮社 [BookLive!]
『百年法』 山田宗樹(著)角川書店
こちらは前回調査時点から上下巻とも既に電子書籍化されており、いくつかの電子書店で配信済みでした。
honto(前回調査時より◯)
BookLive!(前回調査時より◯)
Kinoppy(前回調査時より◯)
楽天Koboイーブックストア ×
GALAPAGOS STORE ×
Kindleストア × → ◯(2月1日配信開始)NEW!
Reader Store(前回調査時より◯)
BOOK☆WALKER(前回調査時より◯)
eBookJapan ×
Kindleストアが追加されていました。
『ふくわらい』 西加奈子(著)朝日新聞出版
相変わらず、いずれのストアにもありませんでした。
honto ×
BookLive! ×
Kinoppy ×
楽天Koboイーブックストア ×
GALAPAGOS STORE ×
Kindleストア ×
Reader Store ×
BOOK☆WALKER ×
eBookJapan ×
朝日新聞出版の書籍は比較的電子化されていますし、西加奈子さんの他の著書で電子化されている事例もあるので、なぜこの商機に電子化しないのか理由がよくわかりません。
『光圀伝』 冲方丁(著)角川書店
こちらは前回調査時点から既に電子書籍化されており、いくつかの電子書店で配信済みでした。ちなみに「電子特別版」という形で、上中下に分冊配信されています。
honto × → ◯(2月20日配信開始)
BookLive! × → ◯(2月14日配信開始)NEW!
Kinoppy(前回調査時より◯)
楽天Koboイーブックストア × → ◯(配信開始日不明)NEW!
GALAPAGOS STORE ×
Kindleストア(前回調査時より◯)
Reader Store × → ◯(2月22日配信開始)NEW! ※チェック漏れてました
BOOK☆WALKER(前回調査時より◯)
eBookJapan ×
『楽園のカンヴァス』 原田マハ(著)新潮社
こちらは前回調査時点から既に電子書籍化されており、多くの電子書店で配信済みでした。
honto(前回調査時より◯)
BookLive!(前回調査時より◯)
Kinoppy(前回調査時より◯)
楽天Koboイーブックストア ×
GALAPAGOS STORE(前回調査時より◯)
Kindleストア(前回調査時より◯)
Reader Store(前回調査時より◯)
BOOK☆WALKER ×
eBookJapan ×
『64』 横山秀夫(著)文藝春秋
こちらは前回調査時点から既に電子書籍化されており、多くの電子書店で配信済みでした。
honto(前回調査時より◯)
BookLive!(前回調査時より◯)
Kinoppy(前回調査時より◯)
楽天Koboイーブックストア(前回調査時より◯)
GALAPAGOS STORE × → ◯(配信開始日不明)NEW!
Kindleストア(前回調査時より◯)
Reader Store(前回調査時より◯)
BOOK☆WALKER ×
eBookJapan × → ◯(配信開始日不明)
まとめ
変更箇所はオレンジにしてあります。
多少は増えていますが、マンガ大賞2013の増え方に比べると、少々物足らない気がします。コミックより文芸の方が、作家も出版社も電子化には消極的ということなのでしょうね。「売れない」と思っているのか、「紙が売れなくなる」と思っているのか。
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