気になるニュースまとめ2012(#46)

(※写真:写真素材 足成より)

もうすぐ2012年も終わりなので、今回は1年間を振り返って「気になるニュース」をピックアップしてみます。「気になるニュース」という形で毎週更新をするようになったのは約半年前からなので、それ以前はGoogleReaderでスター付きにした履歴から掘り出しました。コンテンツ・ビジネス界隈中心です。

2012年1月のニュース

ステルス・マーケティング(ステマ)が話題になる

発端は「食べログ」のクチコミでヤラセ投稿が発覚したことからなのですが、なぜか2ちゃんねるまとめブログ界隈に飛び火して大騒ぎになっていました。何に対しても「ステマ」を連呼する批判側と、擁護側が考えている「どこまでなら許されるのか」という線引きに対する違和感をエントリーにしています。しかしこの時、アメーバの芸能人ブログ関連でもいろいろ指摘情報が出ていたはずなんですが、結局「ステマでしたゴメンナサイ」となるまでほぼ1年かかったわけで。

不正指令電磁的記録作成(ウイルス作成)容疑で初の逮捕者

『今日もやられやく』の管理人が『やらおん』管理人に殺人予告を書き込ませるウィルスを送りつけ、罪を着せようとしたが失敗してしまったという事件。当時はわりと頻繁に見ていたサイトだったので、なかなか衝撃でした。

ニコニコ動画クリエイター推奨プログラムが話題に

当ブログから2本。「話題に」というか、ボクが炎上しかけた事案として思い出深い。結局、この時大騒ぎになったことで、クリエイター奨励プログラムに関しては無許可な二次利用をわりと厳しくチェックするようになったようで、逆に「なんでこれがOKでこれがダメなんだ!」みたいなエントリーを見かけたことも。

2012年2月のニュース

マイクロペイメントサービスの「Gumroad」が話題に

「こいつは凄い!」と話題になっていたので試しに使ってみて、直感的に「こいつはヤバイ!」と感じて大急ぎで記事を書いた思い出深い事案。Gumroadには日本語がわかるスタッフがいるという話を聞いたので、「9つの提案」はメールで送って、「心配されていることは理解できた。このサービスはまだ始まったばかりだから、もうちょっと長い目で見てくれ(意訳)」という返信を貰いました。「Gumroadの信頼性は?」という点に関しては、のちにPCI Service Provider Level 1の取得という形で応えてくれました(これってなにげに凄いことみたいです)。ほかにもいろいろパワーアップしてるみたい。「Gene Mapper」の藤井太洋さんは、Gumroadで結構売ってらっしゃるそうです。

日経が「Kindleが4月に日本上陸」と報じる

結局4月という情報はハズレだったのですが、ドコモ回線を使うという情報は当たってました。しかし、こういう先走った記事が、各方面(特に楽天)に悪影響を与えていたような気もしますね。

2012年3月のニュース

AmazonはKindleで角川と契約と報じられる

日経ではなく新文化通信社という出版専門の業界紙から出た情報ということで、かなり信ぴょう性が高いという受け止められ方をしていたと思います。

「最後のミクの日感謝祭」開催

非常に趣味的なニュースですいません。ただ、セガが主催するコンサート形式の『ミクの日感謝祭』はこれが最後ということでピックアップ。来年の3月9日はどうなるか……。

はてなブックマークボタンのトラッキングが問題に

これをきっかけに>「はてな」と決別することになった思い出深い事案。はてなブックマークボタンを普及させてから、後からこそっとトラッキングを仕込むという悪質さが許せませんでした。はてな村の村長さんに「月曜に反応ないから退会というのはさすがに急ぎ過ぎ」と言われましたが、気持ちが止められませんでした。抗議の意味での決別です。

PayPalがスマホ利用のカード決済サービスを始める

日本には当分こないだろうなーと思っていたら、あっという間にソフトバンクと提携してサービス開始してしまったという。既に、このエントリーを書いている時に開催されているコミケでも、利用しているサークルがいくつかあるようです。こういうイベントで現金以外でも決済できるというのは、かなり革新的なことだと思います。

第三世代のiPad Retinaが販売開始

どうもボクはApple製品には壁を感じていて、まだこの段階では様子見をしていました。結局、購入を決意するまで1ヶ月かかっています。この頃はSO-01Bしか持っていなかったのに……。

Kindle Touch 3Gが4月から日本へも出荷と報じられる

この記事を見た時、「ああ、いよいよ本当に来るんだな」と思ったのを覚えています。「じゃあ、Kindleを迎え撃つ国内勢はどんな状況なんだろう? 今のうちに再評価しておいた方がいいんじゃないだろうか?」と考えて、電子書籍ストアのレビューを始めてみることにしたのです。「Kindleが来るまでに!」と思い急いでレビューを書いて、4月が終わるまでに「GALAPAGOS STORE」・「紀伊國屋書店Kinoppy」・「honto」・「パピレス」・「Raboo」・「パブリ」・「eBookJapan」・「Jコミ」・「パブー」・「BookLive!」の10本を書きました。結局、4月にKindleは来なかったわけですが……。しかし、この時「端末ではなく、サービスが重要」という視点で記事を書いたことは、良かったと思います。

出版デジタル機構が設立

「5年後に電子出版点数100万点、市場規模2000億円を目指す」というどでかい目標を掲げて設立された会社。官民ファンドの産業革新機構と、主要な出版社がみな出資しているというところで、やっと本気になったか……と思った記憶があります。

2012年4月のニュース

違法ダウンロード刑事罰化法案が提出されるという噂が駆け巡る

山田奨治さんのエントリーを見て、「日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか」を読んで、住んでる地域の衆議院議員に陳情書を送るという政治活動をするきっかけになりました。著作権法学会に行ってみたのも、この頃ですね。

Google+がデザイン刷新

いまも使われているデザインに刷新されました。これをきっかけに、Google+ガイドブックを書くことになったので、個人的にはビッグニュース。

2012年5月のニュース

コンプガチャが問題になる

大騒ぎになってすぐ、各社とりやめたのが印象的でした。監督官庁が動くと早いですね。

PayPal Japanが設立

同時に、PayPal Hereを日本にも導入と発表されています。4月の頭からPayPalで支払いを受け取るのに本人確認書類が必要になった(※ちなみに今に至るまで、PayPalからは「書類送れ」という連絡がありませんw)と思ったら、まさかこういう方向へ動くとは……という感じでした。

学費支援サービス studygiftが炎上する

Google+で日本一になった早稲田の女子大生が、実は既に退学していたので「学費を集める」というstudygiftの趣旨からしておかしいじゃないか、ということで大炎上した事案。ボクは「これは炎上マーケティングだ」とみなし、SNSでも一切反応せず沈黙していました。しかし、「サービスを一旦止めて仕切り直し、支援金は全額返金」という形に落ち着いたところで、総括する意味でのエントリーを書いています。

2012年6月のニュース

大手の「2ちゃんねるまとめブログ」に転載禁止の警告

この5サイトのうち、なぜかハム速だけが転載禁止措置後もPVを伸ばしているという……。

違法ダウンロード刑罰化が確定

結局、陳情書を送ったりしたことは実を結びませんでした。この時書いた一連のエントリーは、いまだに数多くのアクセスがあります。

Amazonから公式に「Kindle近日発売」というお知らせが

Amazonから公式に「近日発売」という情報が出たのはこの時が初めてだったと思います。この直後に楽天がKoboの発表会を行うという情報が出ていますので、今思えばこのリリースによって、楽天に「Kindleよりちょっとでも早く」という焦りが生まれ、その後の失敗に繋がったのでしょう。

2012年7月のニュース

楽天Koboが日本でサービス開始するも、大失敗

何度でも言いますが、問題なのは「セットアップができないトラブルがあったこと」ではありません。それに対する消費者の反応をレビュー削除という形で封じ込め、騒いでいるのは少数派と切って捨てた態度が問題なのです。東洋経済と日経ビジネスの三木谷会長兼社長インタビュー記事が、完全に火に油を注いだ形になってしまいました。楽天が経団連から抜けた直後ということもあって、ビジネス系メディアとしても遠慮せず叩ける材料だったということなのでしょうね。

国際電子出版EXPO・東京国際ブックフェアが開催

電子出版EXPOは、楽天Koboが一番人が多かった印象があります。直前に情報があったBookLive!のLideoが、もう展示されていたのも驚きました。ブックフェアは、出版社は必要か?のシンポジウムが非常に面白かったです。書き起こし(※掲載許可とってます)もやりました。弁護士の福井健策さんや漫画家の赤松健さん、eBookUSER編集長の西尾泰三さんと知り合うきっかけにもなりました。

2012年8月のニュース

佐々木俊尚さんが急にパブーを口撃してすぐ黙る

ボクは「不可解だ」というエントリーを書いたのですが、その後佐々木俊尚さんはパブーについてほとんど言及しなくなっています。しかし、パブーにいまも佐々木俊尚さんの本は載っていますし、「ネット未来地図レポート」の連載も続いています。結局あの大騒ぎは何だったのか。

GALAPAGOSがiOSに対応

「いまさら遅い!」という意見も散見されましたが、正しい進化の方向性ということで評価したいのでピックアップ。当時、海外から日本語電子書籍を購入しようと思った時に、主要な電子書籍ストアで制限が無いのは、GALAPAGOS STOREとSONY Reader STOREくらいでしたから、在外邦人が電子書籍ストアを利用するなら、iOSの対応が始まったGALAPAGOS STOREが最も利便性が高いという状態「だった」のです。Kindleが始まるまでは。

2012年9月のニュース

KoboとKindleが新端末発表!しかし日本での発売は未定

この時は、海の向こうでは大騒ぎなのに、日本は蚊帳の外という寂しい思いをしました。

「偽造品の取引の防止に関する協定(ACTA)」の締結承認

欧州議会で否決された条約が日本では可決されたということで、一時期内容について誤った解釈が拡散されるなどちょっとした騒ぎになりました。「不正確に危機感を煽る発言はやはり危険だ」という福井健策さんの言葉は、ボクも胸に刻んでおきたいと思います。結局、「TPPの米国知財要求の方が、よっぽどヤバイ」ということで、ACTAに関する騒ぎは沈静化していきました。

JコミFANディングβテストが大成功

つい最近、正式運用が開始されましたが、この時も何人かの作家はあっという間に目標達成してしまいました。ある程度実績と知名度があれば、お金は集められるということなのでしょう。この成功自体は喜ばしいと思うのですが、次の問題は「無名な人がどうやったら世に出られるか?」というところになってくると思います。

佐藤秀峰さんの「ブラよろ」が二次利用フリーに

こちらも凄い試み。結果的に「漫画onWeb」のアクセスが増えたりして、直接儲かりはしないものの間接的に儲かったということになったようです。こちらも、誰でもできることではない(ある程度知名度が無いと成果に結びつけるのは難しい)のですが、新しい可能性を感じさせる動きでした。

iOS 6の地図が酷いと話題に

Google Mapsがリリースされたら、急にiOS 6へアップデートする人が増えたというのですから、どれだけ大きな影響だったか。ちなみにApp Storeで「Google Map」で検索すると表示順位はなぜか4番目で、Google,inc.のその他のApp一覧には載っていないし、もちろん「おすすめ地図アプリ」にも載っていません。

GooglePlayブックスが日本上陸

まさかKindleより先に動くとは、と驚きました。この時すぐにファーストインプレッションを書いたのですが、もう3ヶ月経つのにほとんど日本語書籍は増えていません。いや、正確に言えば、ラインナップ数が分かるような作りになっていないので、「増えたとしても分からない」です。「新着」の一覧がほとんど変わってないので、増えていないんでしょうけど……。

楽天の電子書店「Raboo」が閉鎖へ

Koboと統合するって言ってたんですけどねぇ……。

Nexus 7が国内販売開始

入手するまでが大変でしたが、非常に良い端末です。iPad mini、Kindle Fire HD、Nexus 7の3台とも試しましたが、ボクはNexus 7が1番良いと思います。

2012年10月のニュース

Kindleストアオープン

上記のKindleストアガイドは、25日の午前0時30分ごろKindleストアが利用できるようになった瞬間から、ほとんど休憩なしぶっ続けで書き上げました。あの分量の記事を、書き始めから約22時間で初稿を送ってるというのが、我ながら信じられない。しかし、ダイレクト・パブリッシングを同時にスタートするとは思わなかったです。驚き。ちなみに、前日にオープンしたニコニコ静画(電子書籍)が、すっかり影が薄くなってしまってちょっと可哀想でした。

第4世代iPadがiPad miniと同時にリリースされてぐぬぬ

たったの半年で型遅れかよ! と怒りを覚えました。どうもiPhone 5以降のアップルはチグハグさが目立ちますね。たぶんiPad miniも半年で型遅れになる……と思うと、なかなか手が出しづらくなってしまうのではないでしょうか。それでも売れてるってのが凄いですが。

Windows 8が発売開始されるも、話題にならず

ちなみにボクは、Windows 8の発売当日に、Windows 7を購入しました。

2012年11月のニュース

Kindle Paperwhite発売開始

文章を読むには非常にいい端末だと思います。コミックは、画面が大きくてカラーで表示されるタブレット端末で見た方がいいでしょう。

iPad mini発売開始

「ずっとiPhoneだけ使ってた人が初めて買うタブレット」か、「初代iPadまたはiPad 2を持っている人が買う」という選択肢になると思います。つまり、iOSにずっと慣れ親しんできた人には良いのではないかと。ボクは、Androidに慣れ親しんできた期間が長いのと、第三世代iPadのRetinaディスプレイに慣れてしまったので、iPad miniはイマイチでした。ちなみにこの幅だと、机の上に置いてある状態から片手で掴んで持ち上げるのが怖いです。しかし、Apple寄りだったギズモードが、こういう記事を載せるとは……。

2012年12月のニュース

Kindle Fire HD発売開始

iOSもAndroidも使ってなかった人が、初めて買うタブレットとしては良いのではないかと思います。身も心もAmazonに委ねる形になりますが。

BookLive! Lideo発売開始

親にプレゼントするなら、Nexus 7ではなくコレだったなーとちょっと後悔。端末としては1世代前ですが、ストアのラインナップ数の多さや使いやすさという部分で補っている。

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