実名制ソーシャルネットワークを活用するには

http://internet.watch.impress.co.jp/docs/event/fmc/20120319_519797.html

【fMC Tokyo】 「実名制に異論を唱える人はいなくなった」Facebook日本上陸から2年の歩み -INTERNET Watch

この記事を読んで、「あれ?」と思ったのはボクだけでしょうか。

「日本では実名のソーシャルネットワークは定着しない」と言われていた。これは児玉氏も当然認識していた。だから日本チームは一度だけ、「Facebookに匿名機能ができたらどうなるか」を真剣に議論したことがあるという。でも最後は「実名だからこそ友達を見つけられて、実現世界を拡張できるサービスになるはず」という結論に達した。

国産ソーシャルネットワークであるmixiは、当初実名での登録を推奨して会員を増やしていましたよね?強制では無かったですが、招待制&閉じたネットワークだったので、ボクの観測範囲では実名登録が多かったです。閉じたネットワーク内で顔見知りとだけ繋がっているから、むしろ実名じゃないと困るし、実名を出してても特に問題は無かったんですよね。

そもそも、Facebookジャパンができたのは確かに2年前ですが、日本語対応を始めたのはもう4年前の話。しばらくは、全く相手にされていませんでしたよね。mixiが強かったから。

ボクは、mixiがダメになっていったのは、以下のような理由だと思っています。

  • オープン型のソーシャルネットワークをライバルとして認識してしまった
  • そのため運営方針をコロコロと変えてしまった
  • おかしな仕様変更を何度も突然行いユーザーを振り回し続けた
  • ビジネス利用しようとする会員が荒らしまわった 

ボクにとって最後のトドメは、招待制を廃止したことでした。これで完全にmixiに嫌気がさして、ほとんど使わなくなりました。実名でも安心して情報発信できる場所ではなくなってしまったからです。

ちなみに、日本における実名登録型SNSのパイオニアは、mixiではなくここですね。

https://yubitoma.or.jp/

同窓会支援サイト -ゆびとま-

つまり、日本に実名制のソーシャルネットワークを定着させたのはゆびとまとmixiで、Facebookは彼らが切り開いてきた道を歩いてきた、いや、奪っていったに過ぎないと思うのです。奪われてしまったのはmixiの迷走が原因なので、残念ながら自業自得ですが。

ボクがかつてmixiでつながっていた古くからの友だちは、いまでは大半がFacebookに移行しています。そして彼らは”鷹野凌”としてのボクのことは知らないままです。逆にいまボクが”鷹野凌”としてTwitterやGoogle+でつながっている方々に、ボクの本名を知っている人は一人もいません。そういう使い分けをしないと怖いからです。

ソーシャルネットワークにもいろいろな形式がありますが、大きく分けるとmixiやFacebookのように相手とつながるには相互承認が必要なタイプと、TwitterやGoogle+のように一方通行で構わないゆるやかなつながり方をするタイプがあると思います。

相互承認が必要なソーシャルネットワークは、基本的に閉じた場所で、お互いをよく知っている間柄の人とつながるためのものだとボクは考えています。それに対し、一方通行でつながるソーシャルネットワークは、基本的にオープンな場所で、広く浅くつながる場所だと考えています。

Twitterにおける炎上の多くは、閉じた場所だと勘違いした人が、醜態を全世界に向けて発信している所から始まっているのではないでしょうか?なにげなくつぶやいていることが、全世界の誰もが見られる状態であるという意識が無いから、トラブルが起きるのではないでしょうか。

逆に、mixiやFacebookで起きているトラブルの多くは、基本的に閉じた場所での交流なのに、見知らぬ人からの友だち申請を気安く受けてしまったことが原因だと思います。旧知の間柄だから気安く喋っていた内容が、見ず知らずの第三者に漏れちゃうわけです。そして、閉じた場所だったはずなのに、仕様が勝手に変わって徐々にオープン化している所が非常に危ないと感じています。

ボクがGoogle+を非常に気に入っているのは、基本はオープンな場所なんですが、時と場合によっては閉じた場所としても使える点です。以前、一般投稿と限定公開の間には大きな違いがあるというエントリーを書きました。

もし仮に、限定公開の投稿内容をサークル内の人が勝手に引用してオープンにしたところで、サークルに入れていない第三者が投稿をそのものを直接確認できない(つまり信ぴょう性が低い情報になる)状態になります。そして、限定公開の内容を勝手にオープンにした人は、信用できない相手だと見なされ、サークルから外されます。限定公開の内容を勝手にオープンにする行為は周囲から嫌われるということが、ある程度までは情報漏洩を抑止できる壁となります。

ボクは、インターネットでの実名使用には否定的です。

ただし、閉じた場所で、お互いをよく知っている間柄の人とつながる目的であれば、実名を出しても問題は無いと思っています。そういう使い分けをすると、快適なインターネットライフを送れるのではないでしょうか?

「名前を売りたい」人の場合は、話は別でしょうけど。

タイトルとURLをコピーしました