「クラウドソーシングサイトも共犯?」「アマゾン日本事業は売上推計9300億円」など出版業界関連の気になるニュースまとめ(2016年12月19日~25日)

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毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、私が気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「クラウドソーシングサイトも共犯?」「アマゾン日本事業は売上推計9300億円」などが話題になっていました。



「クラウドソーシングサイトも共犯だ」 キュレーションメディア炎上騒動についてWELQ記事寄稿ライターが怒りの告発  - ねとらぼ ※2016年12月18日


先週見落としていたので改めてピックアップ。「ランサーズ」「クラウドワークス」といったクラウドソーシングサイトにも延焼です。コピペ重複を検出するツールで「重複率●パーセント以下に」といった指示がなされているそうで、そこから「リライト」する方向へ変わっていったのではないかと思われます。この問題で難しいのは「単なる事実」や「アイデア」は著作物ではないので、保護対象ではない点。アイデアを盗んでも、著作権侵害にはならないのです。


WELQなどのキュレーションメディアを著作権法の観点から分析してみた | STORIA法律事務所ブログ ※2016年12月19日


法律の専門家による解説。引用の要件と、複製・翻案と侵害にならない表現のライン、そして、プロバイダー責任制限法について、非常にわかりやすく説明してあります。


子供の書籍離れなど無い…小中高校生の平均読書冊数などをグラフ化してみる(2016年)(最新) - ガベージニュース ※2016年12月19日


高校生はともかく、小中学生は昔よりずっと読んでます。「子供の書籍離れ」みたいなトンチンカンなことを言う輩がいたら、堂々と「いや、あなたが子供の頃より、いまの子供のほうが読書量は多いですよ」と言ってやりましょう。


【新文化】 - 未来屋書店、「mibon」で店頭受け取りサービス開始 ※2016年12月19日


通販の店頭受け取りって、コンビニくらいどこにでもある存在だと便利だなーと思うのですが、全国340店舗程度だとどうなんだろう? 取り置きよりマシ、くらい? ちなみに「mibon」の紙本通販ストアって、電子版ストアとは別系統になっていて、同じ本でも相互に行き来するリンクがなかったりします。単に同じアカウントでログインできるだけ。うーん。


文科省、デジタル教科書検討会議のまとめ「現状で導入は無理」 | ICT教育ニュース ※2016年12月19日


先週のニュースまとめで「まだじっくり目を通せていない」と書いたのですが、概要を解説した記事が出ました。「現行制度での教科書は紙媒体のみが認められている」というのは、法律を変えればいいという話なのでは?


電子書籍、主導できぬ出版社 アマゾン、読み放題から人気本を除外:朝日新聞デジタル ※2016年12月21日


鷹野の名前が出てきてびっくり。10月11日に受けたインタビューのコメントです。なんかもう遠い昔のようですね……。私以外のところにコメントしておくと、「(アマゾンは)電子書籍市場では6割ほどのシェアを占めるとされ」という情報に強い疑問があるのと、福井健策先生の「極めて『おとり商品』的。景品表示法や不正競争防止法に違反する疑いもある」という指摘がさすが鋭いなと思いました。


ネット通販TOP200社で国内EC市場の約42%を占める。合計EC売上高は約3兆円 | ネットショップ担当者フォーラム ※2016年12月21日


1位がアマゾンで9300億円、2位がヨドバシカメラで790億円と、10倍以上差があります。ただし、あくまでこれは「売上高調査」のトップ20であることに留意。記事の反響に、楽天が5位で550億円なのに対しdisる声が散見されますが、表の右端の「主要商材」に楽天は「書籍/CD/DVD」しか書かれていません。つまりこの数字は楽天直販部門の売上だけで、楽天市場のメインであるモール出店の流通額が含まれていないのです。ところが、『インターネット通販 TOP200 調査報告書 2017』のサンプルをチェックしてみたところ、「アマゾンの日本事業の売上高には、自社EC(直販)のほか、第三者による販売(マーチャント事業)も含まれている。」となっており、ぜんぜん違う土俵で比較した数字なのだということがわかります。このあたり誤解を招かないように、リリースできっちり書いておくべきだと思うのですけどね。


大賞は「医書.jp」~2016年の電子出版アワード -INTERNET Watch ※2016年12月22日


今年から選考委員やってます。お手伝いしているのは「あらかじめ5部門で計28プロダクトをノミネート」の部分だけですが。部門賞、大賞は投票で決まるので、とても民主的なのです。


電書告知サービスを開始します。 | アオシマ書店 - 電子書籍の情報サイト - ※2016年12月22日


アオシマ書店の電書告知サービス。面白いのは、掲載料が掲載予定日までの日数によって変わる点。直前になるほど安いのですが、1日2枠なので早く確保しないと埋まってしまう。チキンレースが始まりそうです。



出版業界関連の気になるニュースまとめは、これが年内最後の更新。1月2日はお休みして、次回は1月9日の更新となります。



私が理事長をやっているNPO法人日本独立作家同盟で、2017年2月4日と5日に「NovelJam(ノベルジャム)」というイベントを行います。著者と編集者が集まってチームを作り、わずか2日間で小説の完成・販売までを目指す『短期集中型の作品制作企画』です。ジャムセッション(即興演奏)のように事前にあまり本格的な準備をせず、参加者が互いに刺激を得ながら、その場で作品を創り上げるというものです。詳しくは公式サイトをご参照ください。

■NovelJam(ノベルジャム)公式サイト
http://noveljam.strikingly.com/