2016年4月22日金曜日

楽天子会社の米電子図書館OverDrive×メディアドゥで、日本のデジタルコンテンツが100館以上に配信


楽天子会社の米OverDrive社が提供している電子図書館サービスで、日本のデジタルコンテンツを配信する図書館が100館を突破したそうです。これには、電子取次事業者のメディアドゥが関わっています。これまでの経緯と現状についてまとめてみます。



メディアドゥは2014年5月13日に、米OverDrive社との戦略的業務提携を発表しています。直後の国際電子出版EXPOには、米OverDrive社の事業責任者が来て公開セミナーをやっていました。



当時で既に、4000社の200万タイトルが45カ国3万館以上に配信されているという、驚異的な数字でした。こことメディアドゥが提携して、日本のコンテンツの輸出と、世界のコンテンツの輸入と、日本における電子図書館事業を行っていくことになったのです。

2015年4月28日に、楽天がOverDriveを買収。



同年7月3日の国際電子出版EXPOで行われたセミナーは、米OverDrive社×メディアドゥ×楽天の3社によるものでした。このときは主に出版社に対し、コンテンツを提供してください! という話でした。



ちょっと余談ですが、つい先日始まったばかりの「楽天コミック」はメディアドゥがバックエンドを提供しており、上記「OverDrive Japan」の電子図書館事業から関係が親密になったことが予想されます。



同年11月10日の図書館総合展にも、米OverDrive社の図書館営業責任者が来てセミナーを行っています。このときは主に日本の図書館に対し、電子図書館サービスを導入しましょう! という話でした。



ところが日本の出版社は腰が重く、なかなか電子図書館サービス向けにコンテンツを提供しない現状があります。そんな状態では、図書館側も及び腰になるのも無理はないでしょう。



 講談社の「電子書籍」点数は、コミックが1万8000点、テキストが9000点、計2万7000点。テキストのうち、学芸(ノンフィクション)が2700点、文芸(ライトノベルを含む)が5000点、実用書が600点、児童書が500点。児童書はほとんどがテキストで、絵本はデジタル化が進んでいないとのこと。

 そのうち図書館向けに配信しているのは、10月末時点で824点。つい先日、現代新書の配信が決まり、420点追加され総数1244点になった。講談社の「電子書籍」点数全体からすると、5%にも満たない。内訳は、ブルーバックス373点、選書メチエ122点、吉川英治歴史時代文庫85点、講談社サイエンティフィック177点、講談社学術文庫17点。文芸系は吉川英治だけだ。

「電子書籍」に積極的な講談社でさえ、こういう状態です。海外向けは、国内向けよりもっと厳しい。上記の記事とほぼ同じタイミングに発表された数字で、たったの400点です。



その後、官民連携のプロジェクト「JAPAN LIBRARY」作品を配信することになりましたが、こちらは具体的な配信数が公表されていません。ただ、英訳プロジェクトなので、急激に配信数が増えることは恐らくないでしょう。



という厳しい状況にも関わらず、海外図書館での配信数が100館を超えたというリリースが発表されたのです。



プレスリリースはこちら。



2015年までに約50館、2016年3月時点で129館とのこと。日本で「電子書籍サービス」を実施している公共図書館は、2015年4月~5月時点で1352館中たったの54館。その後この数が、国内で急激に伸びたという話は聞いていません。

だから恐らく、日本のデジタルコンテンツは、日本の図書館よりも、海外の図書館で多く利用されていることになります。なんだろうこの逆転現象。

とはいえ、米OverDrive社の電子図書館サービスは、全世界で3万4000館以上の提供されており、そのうち129館というのは「たったの」を付けて語る程度の数字であることも事実です。

メディアドゥのリリースには「今後さらに日本のデジタルコンテンツの流通を拡大していく」とありますが、現時点で配信できているコンテンツ数の発表がないということは、まだまだ少ないのが現状でしょう。

著者と出版社は国内・海外を問わず、もう少し積極的に電子図書館サービスに対しコンテンツを提供していって欲しいものです。

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