2016年2月8日月曜日

「中堅取次の太洋社自主廃業へ」「Amazonが複数のリアル書店を展開?」など出版業界関連の気になるニュースまとめ(2016年2月1日~7日)

Kindle Paperwhite

毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「中堅取次の太洋社自主廃業へ」「Amazonが複数のリアル書店を展開?」などが話題になっていました。



AIの創作物は著作権保護の対象にするべきか ※2016年1月29日


1週前の記事ですが、見落としていたのでピックアップ。知的財産戦略本部で検討が始まったそうです。イラスト中に誤解を招きそうな表現がありますが、著作権で保護されてなくても販売はできます。現に、パブリックドメイン作品が、普通に販売されてますし。

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出版状況クロニクル93(2016年1月1日~月31日) - 出版・読書メモランダム ※2016年2月1日


毎月楽しみな小田光雄さんの出版状況クロニクル。小田さんが2000年に『出版クラッシュ!?』(編書房)のあとがきに記したという、「書籍に関する13の試案」が面白い。

4. 1年間書店の新規開店凍結。
5. 1年間新刊書籍の刊行を中止。

「私がもし独裁者なら」という前提での試案みたいですが。これで流通は改革できても、著者が干上がってしまうところが難しい。荒唐無稽な提案で実行できないと投げ捨てるのではなく、どうすれば実行可能になるかを考えてみたいところです。

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小説投稿サイト、活況 人気作品は出版も:朝日新聞デジタル ※2016年2月2日


2月末に本格稼働するKADOKAWAの小説投稿サイト「カクヨム」を始めとする、小説投稿サイトの特集記事。「魔法のiらんど」「小説家になろう」「E★エブリスタ」などが取り上げられています。


2015年「出版業」の倒産状況 : 東京商工リサーチ ※2016年2月3日


栗田出版販売の民事再生法適用申請に伴う連鎖倒産があったわりには、あまり倒産件数は多くなっていませんね。ここ数年、出版市場規模がピークだった1996年とあまり差がない感じです。


「亞書」制作者がコメントを発表 国立国会図書館の対応に不満 - ねとらぼ ※2016年2月3日


結局、代償金返還に。この記事に書かれている「この遅滞、このザマときて、こん畜生、俺は激怒した」などの表現は、現在では消えてあっさりしたものになっています(魚拓)。

先日、国立国会図書館の方に、納本制度の最初のころの話を伺う機会がありました。納本義務はあるけど罰則規定がないからぜんぜん納本されなかったため、「じゃあ半額出します」という制度にしたらようやく納本されるようになったとのこと。原価分くらいは取り戻せる、という感じでしょうか。

ところが複製コストがかからないデータなら、代償金を出す理由はないことになるわけでですよね。物理メディアを前提とした制度設計自体が、いまではもう時代遅れになってしまっているということなのでしょう。


Amazon、リアル書店と書店以外の実店舗を複数展開か - ITmedia ニュース ※2016年2月4日


アマゾンの書店開設、同社の発表ではない=モール運営会社CEO | Reuters ※2016年2月4日


不動産投資信託企業のCEOが電話会見でポロッと言っちゃったらしいのですが、Amazonは「うわさや臆測にはコメントしない」との立場を表明したそうです。Kindle産みの親が復帰してリアル書店構想の責任者になるなどといった憶測まで飛び交っていますが、さてはて。以下に、以前話題になったブログ記事を引用しておきます。

こないだ、Amazonに転職した元同僚と飲む機会があったので、「おまえのAmazonでのミッションって何なわけ?何をめざしてるんだ?」って聞いてみたんだけど「世の中にあるリアルショップをすべて無くすこと。それも10年以内に」と即答されたときには、ちょっと言葉に詰まった。
2013.7.5「Amazonの目指す場所」 - 本屋のほんね

とはいえ、地元シアトルは既にリアル書店「Amazon Books」をオープンさせてますからねぇ……どうなることやら。


Amazonが電子書籍リーダーKindleの大型アップデートを2016年2月に実施、新機能はこんな感じ - GIGAZINE ※2016年2月4日


Amazonネタ連発。買収したGoodreadsとの連携が強化されているようですが、日本には関係なし。


Amazon、「Kindleストア」出版社別年間売上ランキング、KADOKAWAが2年連続1位、「火花」効果で文藝春秋が5位に浮上 -INTERNET Watch ※2016年2月4日


Amazonネタさらに。2013年の1位は講談社でした。子会社合併効果もあるとは思いますが、「コミックス8割」と言われている電子書籍市場において、コミックスがそれほど強くないKADOKAWAが1位というのは立派。配信数は、講談社・集英社の半分くらいなんですよね。

なお、講談社(2位)、集英社(3位)、小学館(4位)、文藝春秋(5位)、スクウェア・エニックス(11位)、白泉社(13位)、光文社(29位)は、エージェンシーモデル、つまり販売元がAmazonではなく、販売価格の決定権が出版社側にあります。影響してるのかな?


TPP協定文に12カ国署名 発効へ手続き本格化 :日本経済新聞 ※2016年2月4日


TPP協定が発効するには、GDPで合計85%以上の国が議会承認・批准する必要があります。12カ国のGDPでは、アメリカが60.4%を占めています(NHK)。クリントンなど次期大統領有力候補がTPPに反対しているので、発効しない可能性が結構高いんじゃないかと思うのですが。



中堅の出版取次業者 株式会社太洋社 自主廃業視野、説明会開催へ - 大型倒産速報 | 帝国データバンク[TDB] ※2016年2月5日


「自主廃業も想定し、会社の全資産の精査ならびに取引先である書店の帳合変更などを進める方針」とのこと。2月8日に出版社向け説明会が行われるそうです。廃業を確定事項として報道しているメディアもありますが、それってどうなん。


米Google、純Web系の電子書籍ストア「Editions at Play」を正式公開 – hon.jp DayWatch ※2016年2月5日


「GPS・HTML5など最新のWeb規格をフル活用したインタラクティブ電子書籍に特化する専門ストア」とのころ。GPSってなんぞ? と思って元記事を読んでみたのですが、該当しそうなのは “a book that "travels the world" through Google Street View called Entrances & Exits” とか “that is, books that change dynamically on your phone or tablet, using all the attributes of the modern mobile web to do things that printed books never could.” あたり。位置情報に連動してダイナミックにストーリーが変わる?



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