2014年12月17日水曜日

週刊ダイヤモンド編集部が『OnDeck weekly』読者アンケートの電子書店利用率を「市場シェア」と勘違いしている


ダイヤモンド・オンラインで2014年12月16日に公開された「税金不払い批判は収まるか?アマゾン経済圏に消費税の網」という記事に、「国内の電子書籍ストアを見ると、アマゾンが49.4%の市場シェアを握って独走状態」という記述(2ページ目・魚拓)がありますが、これは誤りです。



該当する部分をそのまま引用します。

国内の電子書籍ストアを見ると、アマゾンが49.4%の市場シェアを握って独走状態。米アップルのiTunes(同15.8%)が続き、国内勢は紀伊國屋書店のKinoppy(同14.7%)が何とか3位に食い込んでいるというのが実情だ。

市場シェアとは、市場全体の売上額(または販売個数)に占める割合のことで、市場占有率とも言います。2013年における電子書籍市場は、インプレス総合研究所によると936億円です。ではどの電子書店がどれだけの市場シェアを握っているか? という信頼に足る情報は、ボクの知る限りではどこにも存在しません。

だから、この記事の言ってる「市場シェア」って、どこから引っ張ってきた情報なんだろう? と疑問に思ったのです。そこで「アマゾンが49.4%」で検索してみたところ、インプレスR&Dが2013年6月に発表した『OnDeck weekly』読者アンケートの数字とぴったり同じでした。

おい、それ複数回答可の「利用率」だよ!

経済産業省(大和総研)の場合はバイアスのかかりまくっている『OnDeck weekly』読者アンケートを元データにしてしまったというミスですが、週刊ダイヤモンド編集部のミスはもっと酷い。複数回答可の利用率を、そのまま市場シェアと勘違いしちゃってるのです。合計すると100%超えちゃいます。

同じようなミスをやらかしてる記事は、過去にも見たことがあります。しかし、週刊ダイヤモンドは経済誌です。さすがにこのレベルのミスをやらかすのは、恥ずかしい。頼みますよ……。こんな本も出してるわけですし。


しかし、『OnDeck weekly』読者アンケートも罪深い。いや、情報の出し方としては間違ってないんですよ? 「調査対象は、インプレスR&Dが発行する電子出版産業に携わる人向けのEPUBマガジン『OnDeck weekly』の読者。」って明記してますから。勘違いする側が悪い。

比較的信頼できそうな「利用率」調査は、インプレス総合研究所の『電子書籍ビジネス調査報告書2014』に載ってるはず(第5章 ユーザーの電子書籍利用実態の5.6.4 購入先)。NTTコムリサートのパネル調査で、「有料電子書籍利用ユーザー」はn=897。サンプルPDFだと肝心の部分が載ってないから、国立国会図書館に行ってこようかな……。


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