2014年10月17日金曜日

電子書店利用率で1位が楽天Kobo、2位がKindleストアというICT総研のリサーチ結果が信用されていない理由


ICT総研が発表した「2014年度 電子書籍コンテンツ市場動向調査」の電子書店利用率で、楽天Koboが1位、Kindleストアが2位という結果が出ていました。「えっ?」と思ってICT総研に問い合わせをし、回答が得られたので公表します。信用していない方が多いようですが、結論から言うとそんなにおかしな調査結果ではない、です。



なぜこの調査結果に「えっ?」と思ったか


恐らく、楽天の方ですら「えっ?」と思ったのではないでしょうか。業界関係者の実感としては、「Kindleストアが圧倒的に強い」でしょうから。で、ボクがなぜ当初この結果を信用しなかったかというと、調査方法が公表されていないからです。

比較的信用できる事例としては、インプレスの「電子書籍ビジネス調査報告書2014」が挙げられます。調査対象は「パソコンでインターネットを利用している13歳以上の個人」で、NTTコムリサーチのアンケートパネルから性年齢階層別自宅パソコンからの1週間当たりのインターネット利用時間別人口構成比(インプレス推計値)に可能な限り整合するように抽出、とあります。有効回答数64,227件で、電子書籍の経験者は26.0%です。

しかし、ICT総研の調査方法としてわずかに公開されている情報としては「インターネットユーザー 4,409人に電子書籍ストアの利用有無を尋ねた」だけ。ただ、電子書店の利用率23.3%という調査結果は、インプレスの調査結果とあまり差がありません。

そこで、ICT総研に調査概要を教えてくれと問い合わせをしました。


「2014年度 電子書籍コンテンツ市場動向調査」の調査概要


メールを送ったその日のうちに回答が返ってきて驚きました。

  • アンケートモニターは某ネットリサーチサービス(教えてくれましたが、公表しないで欲しいと言われました)。
  • 標本抽出は10代ごとの年代別に均等割り付け。男女別や地域別の割り付けは指定していない。
  • 結果として、男2679人、女1730人という構成比に(若干男性が多い)。
  • 地域別では、東京580人、神奈川390人、千葉250人、埼玉320人、大阪348人、愛知240人と、大都市が多い

「某ネットリサーチサービス」は、楽天リサーチではないとだけ言っておきます。あそこは楽天スーパーポイントをインセンティブにしているので、電子書店別利用率調査をやると確実に楽天Koboが高くなります(実際そういう自主調査レポートを出しています)。

もし仮に「ニコニコネット世論調査」のように「信者が巡礼してお参りする場所」(by 菅原琢)であれば、何万件と回答を集めてもその調査結果は信用できません。しかし、ICT総研の調査は比較的ちゃんとしているようです。



ではなぜ1位が楽天Koboで2位がKindleストアなのか?


これはICT総研の方の見解ですが、「1年以内に利用したことがある」電子書店という聞き方をしているので、1年以内に1回しか利用していないユーザーも含まれるとのことです。ここからさらに利用頻度や購入点数を聞くと、業界関係者の実感に近い数字になるかもしれません。

楽天Koboでは「角川文庫創刊65周年記念!角川書店祭り」の70%オフのような超特価セールをやったり、半額クーポンを配りまくったりしているので、「試しに1回使ってみよう」と思ったユーザーが結構多いのではないかと。


まとめ


ICT総研に限った話ではありませんが、調査結果を信用されたいのであれば、調査概要をもう少し詳しく公表した方がいいと思います。世の中、でたらめな社会調査が多すぎるので。

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