「阪コミ、出版事業をCCCに譲渡」「DRMフリー配信続々」など出版業界関連の気になるニュースまとめ #128(2014年7月28日~8月3日)

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毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「阪急コミュニケーションズ、出版事業をCCCに譲渡」「DRMフリー配信続々」などが話題になっていました。

900人以上の作家がAmazonの戦術に反対する手紙に署名 – GIGAZINE ※2014年7月28日

「ここ数年のAmazonの態度は本の著者のことを考えているようには見えないものだった」と、多くの作家がAmazonに対し批判の声を上げています。

電子コミック配信大手Comixology、DRMフリーのファイルダウンロードを提供開始 – ITmedia eBook USER ※2014年7月29日

勇気ある行動に拍手。これで米国の電子コミック市場が伸び続ければ、DRMでストアへロックインするより、DRMフリーの方が良いという明確な答えが出ます。

comicoとpixivが連携、pixivからマンガの投稿が可能に – ITmedia eBook USER ※2014年7月29日

興味深い連携。恐らくDeNAの「マンガボックス インディーズ」に対抗した動きだと思いますが、自社でゼロから作るのではなく、既に基盤のあるpixivと連携するというのがうまい。

まつもとあつしの電子書籍セカンドインパクト:Magnetは作家と読者の関係を変えられるか――コルク佐渡島庸平氏に聞く – ITmedia eBook USER ※2014年7月30日

Magnetについて。直接販売できるオープンなプラットフォーム。「ブラウザビューワが付いたGumroad」という感じでしょうか。実際に使ってみようと思ったら、会員登録しかできない……現時点ではまだクローズドβテストだそうです。残念。

Amazon.com、“Hachette八分”は「電子書籍を安く販売したいがため」と説明 – ITmedia ニュース ※2014年7月30日

ユーザーへ安く販売すればいまよりたくさん売れて、結果的に出版社や著者にもメリットとなるという主張をしているようですが、果たして。先週のまとめで、出版ニュース2014年7月下旬号に「アマゾンは2年以内に電子書籍の取引条件を50:50にすることを国際的標準にしたいらしい。」と書いてあったというのを紹介しましたが、実はそういう動きに対しドイツ書籍業者協会はカルテル法違反だと訴状を提出しているそうです。まあ確かに、そろそろAmazonは独占禁止法で叩かれてもおかしくない。

海賊版は許さない――日本のアニメ・マンガを守るMAG PROJECTが始動 – ITmedia eBook USER ※2014年7月30日

愚策だ」という批判もありますが、海賊版叩きだけではなく、同時に正規版サイトへの誘導を図っているところが重要。他に閲覧手段が無いならともかく、例えば正規版サイトのCrunchyrollなら無料会員でも全作品・全話視聴可能なのです。ただし無料会員は、画質が悪い、CMが入る、サイマル配信は1週間遅れと、条件が少し悪い。でも、日本国内ですら、放送が1週間遅れになったり、そもそも放送がない地域もあるわけで。

NTTソルマーレ、店舗・施設向けのコミック読み放題サービス「シーモアBOOKSPOT」 – ITmedia eBook USER ※2014年7月30日

事業者向け(つまりBtoBtoC)サービスということで、シャープのエブリーバ(雑誌閲覧サービスがイオンなどへ提供されている)と競合になるのかな。Wi-Fiスポットを使った読み放題サービスは、他にも「TEZUKA SPOT」などいろいろ出ています。

米国の大手出版社Macmillan社、図書館向けの電子書籍の提供プログラムを新刊書まで拡大 | カレントアウェアネス・ポータル ※2014年7月30日

米出版大手が電子図書館向けに新刊もガンガン配信するということは、OverDrive社がブックフェアで言っていた「出版社にとって電子図書館は、本のプロモーションの場になった」という話は、全く誇張ではないという話になります。興味深い。

明治図書出版、DRMフリーの電子書籍を発売 – ITmedia eBook USER ※2014年7月31日

こちらも勇気ある行動。拍手。Q&Aから、本気っぷりが伝わってきます。

阪急コミュニケーションズ、事業再編で出版事業をCCCに譲渡 – ITmedia eBook USER ※2014年7月31日

「ニューズウィーク日本版」「フィガロジャパン」「ペン」などが、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)傘下に。出版クラスタでは大騒ぎになっていました。CCC、攻めるなあ。

【新文化】 – アマゾンジャパン、電子コミックスの販売数が紙版を上回る ※2014年7月31日

紙の在庫は有限ですが、電子は在庫切れをしないので、いつ逆転してもおかしくないとは思っていました。ただ、有料・無料の内訳が非公開なので、そのまま単純に受け止めることはできません。

興味深いのは部署名が「アマゾンジャパンKindle事業本部」になっていること。これまでは「Kindle事業部」だったはず。これで多少は日本の権限が強くなり、開発が進んだり動きが活発になったりするかな?

スタートトゥデイ、電子雑誌書店「マガストア」のヤッパを完全子会社化 – ITmedia eBook USER ※2014年8月1日

ヤッパのプレスリリースを見たら、直近の業績は2014年6月期売上高2億1000万円、営業利益700万円、経常利益400万円、当期純利益0円と、赤は出ていないのに驚き。人数少ないんだろうなー。

スタートトゥデイは、ファッション系のECサイト「ZOZOTOWN」の運営企業。今後どういう連携をするのでしょうか。ファッション誌とのタイアップというのはありそう。

出版状況クロニクル75(2014年7月1日~7月31日) – 出版・読書メモランダム ※2014年8月1日

毎月楽しみな、小田光雄さんの出版状況クロニクル。ブックオフの株主からCCCが消えているというのは、ちょっとびっくり。ちなみに、ヴィレッジヴァンガードの売上構成比で、書籍は10%程度なので、雑貨屋とみなした方がスッキリします。

Google Play ブックスで竹書房のコミック1686冊が一挙配信開始 – ITmedia eBook USER ※2014年8月1日

Google Play ブックスをニュースで見るのは久々かも。実はいまだに講談社、集英社、小学館が配信してないという。

アップルの460億円和解案を仮承認、電子書籍価格操作で米連邦裁 | テクノロジーニュース | Reuters ※2014年8月2日

最終の公聴会は11月21日。年内に決着するかな?

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