2014年5月17日土曜日

著作権保護期間延長がパブリック・ドメイン化した作品にも適用されるのは法律不遡及の原則に反するが、海外では前例がないわけではない


朝日新聞デジタルが、TPP知財分野交渉において日本は、著作権保護期間の「戦時加算」撤廃を求めているという記事を出しました。撤廃はいい話なのですが、後半に「法律不遡及の原則」を無視した仰天記載が。まあ、あり得ない話ではないのですが。



「戦時加算」はこれまで何度も撤廃要求をしてきて、そのたび「じゃあ代わりに保護期間は死後70年へ延長ね」と言われて引き下がるという歴史を繰り返してきているようなので、今回も同じような条件闘争なんだろうなーと思ってこの記事を読んでいました。ところが、[ログインして続きを読む]の後半にはこんなことが書いてあります。

たとえば、2012年末に保護期間が切れた作家・吉川英治氏の「三国志」や民俗学者の柳田国男氏の「遠野物語」などは、インターネット上の無料図書館などで、誰でも無料で読めるようになっている。こうした作品は、いったんは切れた著作権が「復活」することになり、新たに著作権料の支払いや使用の許可が必要になって、無料で読めなくなる可能性がある。

おいおい。

これに対する知財クラスタの反応。法学者・玉井克哉さんは相変わらず。(追記:失礼だと受け止められたようなので、削除しておきます)



[追記]翌日、下記のような説明をされていました。記事中には遡及適用のことが書かれているのに、当初は「国民の誰も損しない、純粋な国益」とおっしゃっていたので、それを含めて賛成だと受け止めましたが、そうではなかったようです。



(追記ここまで)

弁護士・福井健策さんの反応。





たらればさんの反応。



境真良さんの反応。



山田奨治さんの反応。



MIAU 香月啓佑さんの反応。



ボクはこういう反応。





これに対し、江口さんからはこのような反応が。


「法律不遡及の原則」があるので、日本で映画の著作権保護期間が公表後70年へ延長されたときも、それ以前に保護期間が切れている作品には遡及適用されていないのです。ただ、世界的には前例がないわけではないのが、話としてはややこしい。

文字数制限のある紙面上では難しいかもしれませんが、前提として「法律不遡及の原則」があることには触れておくべきだったんじゃないかなあ。

ちなみに、弁理士・栗原潔さんのブログでも同じことについて言及されています。


朝Pこと、丹治吉順さんの反応。



なるほど確かに、先日の読売や産経の記事とは、その点では一線を画していますね。






ボクは福井健策さんのこの意見に賛成。

いっぽうそのころMIAUの共同代表は





なにやら大変そうです。

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