2014年3月10日月曜日

出版業界関連の気になるニュースまとめ(2014年3月3日~2014年3月9日)「ComicWalker」「電子出版権」「ゴーストライター」など

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毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「ComicWalker」「電子出版権」「ゴーストライター」などが話題になっていました。



シンポジウム「電子書籍化の波紋」レポート « マガジン航[kɔː] ※2014年3月3日


自分の記事ですがピックアップ。正直、フランス語の同時通訳は、ちゃんと発言内容を把握できているのか自信がないです。ゲマール氏の言ってた「税率を紙と同じにし、出版社に価格決定権があるようにした。この法律を施行したことで、Amazonのシェアは8割から5割に減少した」に関しては真偽を確認したいところ。

とりあえず、Koboが2011年の秋にフランスの小売業者と提携して以降、シェアが急拡大して50%になったという情報がありました(via マガジン航に付いたはてブコメント)。フランスが電子書籍の付加価値税(VAT)税率を19.6%から紙と同じ5.5%まで下げたのが2012年からなので、ゲマール氏の言っていることと時期的には符合してるのかな。


“若者の本離れ”はウソ!? 「読書会」がジワッと人気なワケ 日経トレンディネット ※2014年3月3日


"本のコミュニティ" 活動が行われるようになっている、という記事。同じ本が好きだと、感性が合いやすいというのはあるかも。


オーディオブックを先に出版:新たな出版の動き - ITmedia eBook USER ※2014年3月3日


オーディオブック市場が比較的大きいアメリカならではという感じもしますが、面白い動き。そういえば日本だと、メディアミックス作品では「ドラマCD」が作られることがありますけど、あれって考えてみりゃオーディオブックの一種ですよね。ただ、特典や付録として付いてくるパターンが多く、単独で販売しているのはあまり見かけないような気がします。


KADOKAWA漫画200作品、無料読み放題「ComicWalker」スタート 名作フルカラー化、海外向けに多言語化 - ITmedia ニュース ※2014年3月3日


紙の漫画雑誌の落ち込みを、無料のウェブコミックで補う動き。それ自体は他社もやっていることですが、海外向けにも翻訳して提供されるというところがいいですね。公式で便利なサービスがあれば、不便な海賊版は駆逐されるというわけです。


雑誌スキャンしネット公開 法的対応 議論が難航 :日本経済新聞(会員限定) ※2014年3月3日


電子出版権ができた後は、デジタル海賊版対策として、雑誌記事にも電子出版権設定契約を結ぶことが求められることになるだろうという話は、1月29日に行われたJEPAセミナーで弁護士の松田政行氏もおっしゃっていたことです。「もしできないなら、最低限メールで『当社のポリシーはこうです』という許諾くらいは取るべきでしょう」と。

実際、雑誌に記事を書くにあたって、契約書も何もない(こちらから請求書を送るだけ)というのは受注側としてすごく不安だったりするので、もうちょいちゃんとして欲しいなあと思います。1回テンプレート作っちゃえばそれで済む話だと思うのですが。

ちなみに、メールで「当社のポリシーはこうです」という形ですでに運用しているところもあるけど、どう読んでも著作権の帰属がおかしくて、問い合わせたらずーっと間違えてた(過去何年も、それについて問い合わせてきたライターがいなかった)という衝撃的な事件にでくわしたことがががが。業界全体的にいい加減すぎ。


非透明性:なぜ、電子書籍の売り上げ情報は秘密にされるのか? - ITmedia eBook USER ※2014年3月5日


AmazonジャパンのKDPは、数字を公開しても構いませんというスタンスです。だから例えば、鈴木みそさんが2013年に印税で1千万円という数字が公開されたりしているわけで。


数百ページをわずか15分に凝縮:オトバンク、書籍ダイジェストの毎週配信サービス開始 - ITmedia eBook USER ※2014年3月5日


本の要約版配信サービスが増えているそうですが、こちらは音声版も配信というところが新しい。個人的には3000字くらいなら読んだ方が早いと思うのですが、通勤時間に満員電車や車の中で聴くという需要はありそう。


堀江信彦×佐渡島庸平対談:動かした心の量と収入のバランスを――これからの編集者に求められること (1/2) - ITmedia eBook USER ※2014年3月5日


でも僕は、出版社ではなく、マンガ家が、それなりの金額を出して新人賞育成のファンドを作ったりする方が健全だと考えています。

佐渡島さんのこの辺りの考え方が面白い。「出版社が儲けたお金を投資して新人育成する」という機能が、漫画雑誌の衰退とともに成り立たなくなっている(雑誌はウェブ連載型に形を変えつつあるけど、紙の単行本で収益改修というモデルは変わっていない)という話の延長線上。まさに「作家のための新しい収入確保の道を、模索する時代」ですね。


消費税8%対応:eBookJapan、消費税率引き上げに伴う対応を発表――価格差を抑えて販売へ - ITmedia eBook USER ※2014年3月5日


消費税転嫁対策特別措置法的にこの表示って大丈夫なのか? と思ったのですが、まつもとあつしさんが消費者庁に問い合わせて、詳細は記事に書くとおっしゃってました。続報を待ちましょう。

[追記]記事が出ました。消費者庁の公式見解で「問題ない」そうです。


電子書籍にも「出版権」の設定を可能に、著作権法改正案を今国会に提出へ -INTERNET Watch ※2014年3月6日


特に目新しい動きがあったわけではないのですが、ときどきこういう記事が出ないと世の中の関心が薄れてしまうので。


Barnes & Noble、NOOKで10億ドル以上の損失 - ITmedia eBook USER ※2014年3月6日


NOOKちゃんが息してない! Microsoftが買収を検討(※2013年5月10日の記事)という話はどこへ行ってしまったのか……。


ノンプログラマーズ・ウェブデザイン/第7回 ウェブの大海原から読者を探し確実に届ける仕組みと、電子出版専門の出版社をつくる方法 | eBook Strategy Magazine ※2014年3月6日


すごく参考になる記事。セルフパブリッシングって要するに、ひとりで「電子出版専門の出版社をつくる」という話ですもんね。


ネットの「全文ネタバレ」に出版社が“断固たる措置”? サイト運営者が過去記事を削除する動き - ITmedia ニュース ※2014年3月6日


いままで出版社が対策していなかったというのが驚き。「全文ネタバレ」っていつ頃からあったんでしょうね?


BOOK☆WALKERのAndroid向けアプリ、EPUBのサイドロードに対応 - ITmedia eBook USER ※2014年3月7日


これはユーザー向けというより、制作者向けの機能。同じEPUBでもビューワによって見え方が異なるので、サイドロードができないと発売前に表示検証できないから困るんですよね。さっそくWakufactoryの大江さんが電書端末非サポート文字一覧にBOOK☆WALKERアプリの検証結果を追加しています。


堀江貴文氏「拝金」の代筆問題について:少年 佐藤秀峰:佐藤秀峰チャンネル(佐藤秀峰) - ニコニコチャンネル:エンタメ ※2014年3月7日


書籍のゴーストライターというエコシステム|佐々木俊尚 blog ※2014年3月8日


佐村河内守さんのゴーストライター問題に連動して、「出版界でもゴーストライターが!」という話がいくつか出てきました。

  • 「著者」とゴーストと出版社の三者がウィンウィンウィンだとしても、その本にお金を出すのは読者では?
  • 「出版業界ではこんなの常識」という話は、読者を騙してもいい理由にはならない
  • ゴーストが「自分が書きました」と公表したら、それは既ににゴーストではない
  • ゴーストの存在を暴露されたら、著者に損害がある場合もあるのでは? (松本伊代が「自筆エッセイ」について尋ねられ、「まだ読んでません」と自らバラしてしまったのは有名だが)
  • アニメや映画・ゲームの場合はエンドクレジットで制作に関わった人の名前を表示するのだから、本もそういう方向になればいいと思う

……とまあ、いろいろ思うところはあるのですが、ノンフィクション・ビジネス系と、小説などのフィクション系とでは、「ゴーストライター」から受ける印象が違うというやまもといちろうさんの記事が一番腹に落ちました。佐々木俊尚さんは以前から、堀江貴文さんのビジネス書のゴーストをやっていたことを公にしてきた(それは既にゴーストではない)そうですが、佐藤秀峰さんの暴露は小説ですからかなり印象が違います。

堀江貴文さんも「拝金」に関わった関係者も、胃が痛いだろうなーと思ったのですが、「実はこれも堀江氏の仕掛けなのでは?」という意見を見て、なるほどと納得してしまいました。プロレスでいう「ブック(台本)」であれば、ウィンウィンウィンのままですね。いい意味でも悪い意味でも、話題になった者勝ちという。


店や病院、場所限定で電子書籍配信 大日本印刷のアプリ - 本のニュース | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト ※2014年3月8日


店舗内のWi-Fiを使ったエリア限定配信サービス。これは面白い!と思ったのですが、月額利用料10万円って……大型施設で毎日数百人が利用するようなイメージなんでしょうかね?

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