出版(紙・電子書籍)関連の気になるニュースまとめ #77(2013年7月29日~2013年8月4日)

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出版(紙・電子問わず)関連でボクが気になった先週のニュースについて、コメントをつけてまとめていきます。先週は、仲俣暁生さんがWIREDに寄稿した「緊デジ」批判記事が話題になっていました。

電子書店完全ガイド2013:「BookLive!」を徹底解剖する (1/5) – ITmedia eBook USER ※2013年7月29日

自分の書いた記事ですが。電子書店完全ガイドの2013年度版です。2012年度版で「この連載は定期的にアップデートし」なんて書いてたんですが、1年越しになってしまいました……。

電書ちゃんとビビたんのタッグが最強すぎると俺の中で話題に – 電書ちゃんねる ※2013年7月30日

でんでんコンバーター」でEPUBを作成すると、ブラウザベースのEPUBリーダー「BiB/i」でプレビューできるようになりました。これはいいタッグ。

hon.jp DayWatch – 米国の電子コミック関係者の間でDRM是非論「DRMを付けてから逆に違法ダウンロードが増えた」との声も ※2013年7月30日

「DRMはコンテンツ価値を高める」はないですよね……ユーザーに不便さを強いる形にしかならない。しかし、「違法ダウンロードが増えた」というのは、どうやった調べたんだろう?

電子書籍に出版権 海賊版、出版社も差し止め可能 :日本経済新聞 ※2013年7月30日

電子出版権、コンテンツ拡充に追い風 :日本経済新聞 ※2013年7月30日

電子出版権って、出版社が海賊版対策できるようになる、というより、出版社に海賊版対策の義務が発生すると捉えたほうがいいのでは。正直、何かコレで前向きな動きが出てくるとは考えづらいのですが……。

電子雑誌のROIは実証されつつある:日経ビジネスオンライン ※2013年7月31日

制作ツールを提供する側であるアドビシステムズの営業トークではありますが、ROI(投資対効果)が実証されつつあるそうで。「実際に広告を見た人はどのくらいいるのか、広告を見るのに費やした時間はどのくらいか、動画の再生回数は何回かといった情報を計測できる」のは無料で見られるウェブも同じなので、電子雑誌はどこで差別化すのかが問題なのでは、と思うのですが。

面白すぎるKDP自己出版本の世界–とあるKindleの禁書目録 – CNET Japan ※2013年7月31日

朝日新聞社の林智彦さんが、実際に読んでみて面白かったKDP本を紹介しています。林さんは、読んでる量が凄い。

電書ちゃんが台湾デビュー!? でんでんコンバーター中国語版発進 – 電書ちゃんねる ※2013年7月31日

でんでんコンバーター」の繁体中文版が登場。

電子書店完全ガイド2013:「楽天koboイーブックストア」を徹底検証する (1/5) – ITmedia eBook USER ※2013年8月1日

自分の書いた記事ですが。本当は1周年のタイミングで出せればよかったのですが、そこまでボクの手が回りませんでした……ちなみに、ラインアップ数の調査日時を見ればわかりますが、実はBookLive!より先に作業していたりします。

OnDeck読者アンケート速報:Kindle対抗として期待するのはiBookstore | OnDeck ※2013年8月1日

何度でも言いますが、あくまでOnDeckWeekly購読者に対するアンケートであって、代表性はないことに留意する必要があります。利用率の傾向とあまり変わらないですね。iBookstoreが異様に評価が高いのと、Kinoppyに対する期待が大きいのがOnDeckWeekly購読者の特徴です。どちらかというと、業界関係者の願望に近いような気もするのですが。

【ニュース】Paperwhiteの3Gで漫画がダウンロードできなくなった *3G通信の10MB制限が適用されたみたい | きんどるどうでしょう ※2013年8月1日

もともと「Kindle端末では、この本を3G接続でダウンロードすることができません」という表示が出ていたのですが、なぜかダウンロードできていたのですよね。それが制限されてしまったと。まだダウンロードできるという人や、翌日になったらダウンロードできたという人もいて、状況がいまいち安定していないようですが。

出版状況クロニクル63(2013年7月1日~7月31日) – 出版・読書メモランダム ※2013年8月1日

毎月楽しみな、小田光雄さんの出版状況クロニクル。

mibon – 未来屋書店の電子書籍サイト ※2013年8月1日

ニュースになっていませんが、イオングループの未来屋書店が新しく電子書店をオープンしています。ベースは日販の「boocross」です。上記の出版状況クロニクルによると、未来屋書店は2012年の書店売上高ランキングで6位(ジュンク堂とほぼ同等、文教堂や三省堂より上)なわけですが、mibonは実店舗との連携をどうしていくのでしょうか。ちょっと気になるところです。

月刊楽天koboちゃん 2013年08月号 -kobo1周年の反省と今後- – A Successful Failure ※2013年8月1日

Kobo1周年関連まとめ。月刊楽天koboちゃんはずっと批判的な感じだったのが、今号ではだいぶトーンダウンしています。だいぶ正当に評価されるようになってきたのかな、という感じが。「新たなプラットフォーム向け電子書籍市場」を誤読してたのも、訂正されています。

まあ、初期の炎上にはボクも加担しているわけですが、三木谷さんが余計な油を注がなければここまで悪印象が長期にわたって残ることはなかったのではないかという気が。レビューを消したのが最悪手。

さようなら、「電子書籍」 « WIRED.jp ※2013年8月2日

仲俣暁生さんによる、「緊デジ」批判。簡単にまとめると、官庁主導のビジネス振興はろくなことにならない、ということになるでしょうか。官製用語の「電子書籍」とはもうおさらばしようということで、対比して「電子の本」という呼び方をしています。

電子書籍フェア「電本フェス」|株式会社幻冬舎 ※2013年8月2日

幻冬舎の電子書籍フェア、右側の参加書店一覧に注目。Kindleストアが参加していません。恐らく、Amazonにはプライスマッチングがあるので、他でフェアをやれば値段は勝手に追随すると思いますが……。

世界の電子書籍市場は楽天とAmazonの戦いになる――三木谷社長が大きな自信 -INTERNET Watch ※2013年8月2日

いつものミキタニ節です。コミュニティでも熱い議論が。興味深いのが、「電子書籍事業が他のコンテンツ(音楽や動画)と比べても利益率が高い」という点。介在するプレイヤーが少ない(制作原価が小さい)ってことなんでしょうかね? 電子書店の粗利は3割から多くても4割くらいだと思うのですが、他のコンテンツはもっと小さいんですね。

ニコニコ静画(電子書籍)とBOOK☆WALKERが本棚連携開始 – ITmedia eBook USER ※2013年8月2日

BookLive!とブックパスは一方通行の連携でしたが、今回は相互連携です。ドワンゴには角川の資本が入っているというのも大きいのかな?

著作権による保護は本を普及させず逆に「消失」させている – GIGAZINE ※2013年8月2日

これは、5年前の著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラムですでに、さまざまな実証データが提示されている話だったりします。それなのに法学者の玉井克哉さんが「(著作権保護期間延長の)反対論に根拠がない」と言い始めて、知財クラスタで大論争になっていたり。

なかよし:異例の部数4割増 「マンガ家セット」問い合わせ殺到で – MANTANWEB(まんたんウェブ) ※2013年8月3日

これって、本そのものではなく、付録で売ってる形ですよね……少年・少女向けは昔からそうかな?

なかよし 2013年 09月号 [雑誌]

なかよし 2013年 09月号 [雑誌]

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講談社 (2013-08-03)

なんか新品・未開封で、定価の倍くらいになってる((((;゚Д゚))))

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