2012年12月21日金曜日

楽天koboイーブックストアの日本語書籍が10万点を超えたので、中身について改めて検証してみた


楽天koboイーブックストアで日本語の書籍を検索すると、ついに10万点を超えるようになりました。2012年末までに20万点という目標を掲げていたので、あと10日を残して進捗率50%です。この目標を達成するのは、さすがに無理でしょう。ただ、ひとまず「10万」という大台を超えたということは、事実として認識しておくべきだと思います。

問題はその中身です。数日前の日経に、日経産業地域研究所研究員による「コンテンツ数ではkoboがReaderを追い上げてる」という見解がありましたが、表面的な数字だけを見ているとこうなるという典型例だと思います。



koboストアの品揃えを見守るページ」の版元リストから、グラフを作ってみました。


御覧頂いた通り、楽譜が3割を占めています。別に楽譜が悪いとは言いません。でも、koboには現状、電子ペーパー端末しかありません[※末尾に追記]。6インチ電子ペーパーの画面で楽譜を見ながら演奏って、たぶん難しいと思うんですよね。ピアノだったら、たぶんiPad2台並べないと厳しいんじゃないかな?

セルフパブリッシングのパブーを抱き込んだ[表現が良くないので訂正] と「提携」したのは、非常に上手いと思います。Kindleダイレクト・パブリッシングと同様に、個人制作の電子書籍を比較的メジャーな商業流通で販売したいというニーズは確実にあります。編集を介さない作品はクオリティにかなりバラつきがあると思いますが、多くの人に「面白い」と思ってもらえるような作品もその中から生まれてくるでしょう。

ちなみにkobo日本上陸発表の際に、三木谷会長兼社長は「海外で展開している個人出版サービスには、日本では当面対応しない」と明言していました。出版社と競合はせず、ちゃんと棲み分けますよというアピールをしていたわけです。で、サービスを開始してしばらくしてから、自社の個人出版サービスではなく、パブーとの接続をしたわけです。この辺りのしたたかさは、他の国内電子書店にも見習って欲しい。

青空文庫は、著作権切れ作品をボランティア活動によってアーカイブ化しているわけですから、青空文庫に対するリスペクトが感じられる(ちゃんと表紙に大きく目立つように「青空文庫」と書かれていて、URLも記載される)以上、そこに対してとやかく言うつもりはありません。そもそもオープン前からちゃんと「1万冊の無料日本語書籍」がコンテンツとして在ることも明示してましたから、顧客サービスの一環でやってることを「水増しで青空文庫を追加した」みたいな誤った認識で流布されちゃうのはちょっと可哀想。

問題は、楽譜・パブー・青空文庫で全体の半分を占めているということです。EPUBだけでやっているので、XMDFや.bookになっている過去のデータ資産を活用できないという事情があるにしても、もうちょっと何とかならないですかね? これはkoboに対してというより、むしろ電子書籍化に及び腰な出版社に対して言いたいことなのですけども。

例えば、小学館はいまだに10冊ですよ。koboの年間販売ランキングに「のぼうの城」上下巻が10位以内にランクインしていますけど、777人の社員全員にkobo Touchを配布してますから、かなりの確率で自社社員による購入なんじゃないですかね? 選択肢10冊しかありませんから。

他の電子書店へも、コミックは180日レンタルでしか出さないとか、1年間・5年間という再ダウンロード期限を設定させたりとか。小学館は電子書籍市場の拡大を阻害しようとしているのでしょうか?

のぼうの城 上
のぼうの城 上 [BookLive!]


コミック以外は、他の電子書店にも特に制限なく出してるんですけどねぇ……。


[追記]
エントリーを書いてるあいだに、kobo for Androidが公開されてました。

せっかくなんで、楽譜を買って見開き表示してみました。


うーん……ちょっと厳しい。自動ページ送りがあればまた違うのかもしれませんけど。21.5インチタブレットならいけるかも?



[追々記]
……なんていう記事を書いたら、ちょうどその当日(12月21日)から小学館の書籍が大量に入荷しました。なんかボクは、koboと相性がいいようです(;^ω^)

ただ、コミックにはやはり5年間の再ダウンロード期限が設定されています。注意。

週間人気投稿

月間人気投稿