2012年10月5日金曜日

BookLive!で小学館コミックの配信が始まったけど「小学館マンガ作品の端末へのダウンロードは購入から5年間です」という笑えない制限が付いていた



何かの冗談かと思いました。いや、ほんと笑えません。

※小学館マンガ作品の端末へのダウンロードは購入から5年間です。

あの……購入する気を削いでどうする気ですか。

[2013年5月27日追記:BookLive!の小学館コミックに記載されていた「購入から5年間」という表記は、いつのまにか消えています。]

これ実は、大半の電子書店に並んでいる小学館コミックに共通する問題なんです。



例えば、つい先日再ダウンロード期限を撤廃したhontoですが……


ご覧のように、小学館のコミックは365日の制限が残ったままです。

Sony Reader Store も基本的には再ダウンロード期限は撤廃しているのですが……


小学館と集英社のコミックだけ365日の制限が残っています。

[2013年5月27日追記:再ダウンロード期限は5年間に延長されました

紀伊國屋書店BookWebPlus楽天koboイーブックストアは、そもそも小学館コミックの取り扱いが皆無に近い状態になっています。Yahoo!ブックストアは、小学館コミックはそもそもレンタル扱いです。

[2013年5月27日追記:これはこのエントリーを書いた当時の状況で、現在では配信されています。紀伊国屋には再ダウンロード期限がありませんが、koboイーブックストアは5年間です。]

小学館が出資しているeBookJapanは、再ダウンロード期限は14日間ですが、「トランクルーム」という形で端末以外の場所へ保管できますが、いちいち「アップロード」「ダウンロード」を手作業で行わねばなりません。

主要なストアだと、そういった制限が無いのはGALAPAGOS STOREくらいでした。

[追記:このエントリーを書いた直後の2012年11月1日から、GALAPAGOS STOREにも5年間の制限が追加されてしまいました。]


いま、どのストアも「再ダウンロード期限」という制限を解除する方向へ進んでいる中で、いままで他のストアでは1年間だった期限を5年間に延ばしたという点を評価すべきなのでしょうか? ボクは正直、萎えました。



楽天Rabooのサービス終了時の対処が購入履歴を引き継がずにバッサリ切り捨てだったため、「電子書籍は"購入"ではなく、一時的にコンテンツを読めるようにしているサービスに過ぎないということがバレてしまった」という意見をちょくちょく目にします。

確かに、電子書店がそういう性格のサービスであることは否定はできません。DRMでファイルの移動・コピーに制限をかけている以上、「電子書店の死」は「読めなくなる」ことを意味します。営利企業が行なっているサービスですから、シンプルに考えれば「儲かってるなら続くし、儲からなければいずれ終わる」という話です。

ただ、「サービスが存続している限り、いつでも読める環境を提供し続ける」のと、「初めから、いずれ読めなくなる形のサービスを提供する」のかは大違いです。Rabooのエントリーにも書きましたが、後者の場合「不慮の事故」で失うのではなく、失うのは必然という状態なのです。ボクは後者ではなく前者のサービスを利用したいし、多くの人が同じように思うのではないでしょうか。

さて、電子書籍ストアがこのような制限を設けているのは、ストアが悪いのでしょうか? だんだん様々な制限が解除されていく中で明白になってきましたが、制限を設けざるをえないのは出版社側の意向に拠る部分が大きいのだろうと思っています。

余談ですが、実は紀伊國屋書店BookWebPlusの再ダウンロード期限が撤廃されていくときに、最後まで1年間の再ダウンロード期限が残っていたのは講談社でした。講談社は野間省伸さんが社長になってから、かなり電子書籍に対する方針が変わったようですね。

Reader Storeの状況を見ると、いまは集英社と小学館が抵抗勢力になっている様子が伺えます。そして今回のBookLive!です。恐らくBookLive!側としては、他の書籍には制限かけていないわけですから、制限が無い方向でやりたかったに違いありません。

ぶっちゃけた話、5年間の制限って、実質あって無いようなものでしょう。恐らく今後の流れを考えたら、5年を待たずに制限は無くなると思います。それでも制限をかけなきゃいけなかったというのは、どれだけ小学館に抵抗されたんだろう? という想像をしてしまいます。

ではなぜ出版社は、こういう妙な制限を強いるのでしょうか?

ちょっと業界の違う話ですが、以前こんな記事がありました。


さらに(JASRACの)いで氏は、過去の著作権分科会で主婦連合会常任委員の河村真紀子氏が、「自家用車で聞くために、消費者はもう1枚同じCDを買うのか」と疑問を投げかけたことを取り上げ、「当然だと思う」と説明した。「家にあるコーヒーを車で飲みたければ、持ち出すか外で買えば良いのと同じ。車で聞きたければCDを持って行くか、それがいやならもう1枚買えば良い(後略)

JASRACの人が言ってることなので感情的に反発する人もいると思いますが、コンテンツを提供する側の人って基本的に似たような考え方を持っているんですよね。漫★画太郎さんが「一人10冊買え!そしてすぐ燃やせ!」とギャグで言ってたという話とか、「らき☆すた」のネタで「観賞用・保管用・布教用で3冊買う」といった話が出てきたりとか。

恐らく小学館や集英社が再ダウンロード期限にこだわるのも、「いいからもう1回買えよ!」って軽い気持ちで考えてるんじゃないかな?って思うんです。でもね、出版社の方々、それをいまの消費者は、納得しないですよ。なぜなら、再ダウンロード期限が無いのが当たり前になってきているから。

以前も書きましたけど、紙の書籍は火事・盗難など不慮の事故がない限り、数十年、保管状態が良ければ数百年でも保存できます。購入する前に、それが失われてしまうことを心配する必要は、基本的にはありません。

電子媒体だからという理由で「いずれ読めなくなる形のサービスを提供する」のであれば、別の付加価値を用意するか、紙媒体よりうんと安く提供するしか無いですよ。電子書籍は儲からないから難しい? ひとつ言えるのは、デジタルコンテンツは保管や流通コストが紙媒体に比べれば小さい(サーバー管理やアクセス負荷があるので、「無い」とは言いません)ので、損益分岐点超えればめちゃ利益が出るようになりますよ。今は売れてないから儲からないけど、売れてくればめちゃ儲かるようになりますよ。だからいまは、もっと売れるように努力しなきゃいけないんです。ユーザーの反感買うような制限設けてどうするんですか。


うーん、これも積ん読になってる。読まねば……。

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