2012年9月26日水曜日

楽天の電子書店「Raboo」がサービス終了、購入者はkoboへの移行特典という形で救済するけど……



【Rabooサービス終了のお知らせ】
平素は、楽天のサービスならびにRabooサービスをご利用いただきありがとうございます。Rabooサービスは2013年3月31日をもって、サービスを終了することとなりました。ご利用者様には、突然のお知らせとなりますことをお詫び申し上げます。サービス終了に関する詳細につきましてはこちらをごらんください。楽天グループでは、今後もお客さまへより一層のサービス向上に取組んでまいります。

楽天がKobo,inc.を買収した時に、「え!?3ヶ月前にRabooを始めたばかりなのに、どうするの?」と思った方も多かったと思いますが、とうとうサービス終了というお知らせが出ました。購入履歴は残りませんが、楽天スーパーポイントを用いたKoboへの移行促進という救済措置になっています。



お知らせから特典内容を要約すると、以下のような形になります。

[全員]
  • 楽天スーパーポイント200ポイント [※追記:UT-PB1・SonyReader利用者のみ]
  • Rabooでのコンテンツ購入金額10%相当の楽天スーパーポイント

[楽天koboイーブックストアへ登録]
  • Rabooでのコンテンツ購入代金の40%相当の楽天スーパーポイント
    (※要1000円の購入実績)
  • kobo Touch 3,000円割引クーポン

ダウンロード済みのコンテンツはもちろんそのまま保持されますが、再ダウンロードができなくなる&DRMでコピーや移動ができないため、ダウンロードした端末がお亡くなりになると同時に購入したコンテンツも消えます。

ただ、Koboへ移行すれば、購入代金の半分が戻ってきて、200ポイントとKobo Touchの3000円割引クーポンも手に入るということになります。さて、この救済措置に納得できるユーザーがどのくらいいるでしょうか?「半分も戻ってくる!」と捉えられるか、「半分しか戻ってこない!」と捉えられるか。これは当事者だけの問題では無いと思います。



電子書店を利用する際のリスクとして、サービス提供元が無くなってしまった場合にどうなるか?というのがあります。DRMによって、ダウンロードしたファイルをコピーや移動してバックアップすることができない形にしている場合が多いからです。

劣化しないデジタルコピーがネットでタダで見られる形で拡散してしまったら、コンテンツ提供する側としては商売にならなくなってしまうので、予防措置としてコピー・移動禁止を施しているわけですね。

バックアップできる形になっていれば、不慮の事故によるファイルの紛失は自己責任ということになります。でも、自分でバックアップできない形になっている場合、多くの電子書店は「クラウド本棚」という形のサービスを提供しています。不慮の事故で端末ごとコンテンツを失ってしまったとしても、いつでも再ダウンロードできる形になっているわけです。

ハードディスクやSSDといったストレージの寿命はだいたい数年です。結構あっけなく壊れます。だから、ファイルが移動もコピーもできない形になっていると、「不慮の事故」で失うのではなく、失うのは必然という状態になっているわけです。

ボクが「再ダウンロード期限1年」といった条件に対し嫌悪感を覚えるのは、ストレージの寿命に対して期限が短すぎるため、事実上、救済措置になっていないからです。ちょっと長めのレンタルと変わらない。

紙の書籍の場合、火事・盗難など不慮の事故がない限り、数十年、保管状態が良ければ数百年でも保存できます。購入する際に、それが失われてしまうことを心配する必要はあまりありません。



今回の楽天のケースは、サービス事業者が消えてなくなるわけではなく、同じ会社が同じ業種の別サービスを展開するというだけの話です。それでも購入したコンテンツは端末の寿命とともに……恐らく数年以内に消えてなくなってしまいます。

恐らく最善のやり方は、Rabooでの購入履歴をそのままKoboへ引き継ぎ、Rabooで買えてKoboで買えない書籍の場合は救済措置としてポイント付与、というやり方だったでしょう。しかし、楽天はそういう手間のかかるやり方はしませんでした。

こういう前例を作ってしまうと、「電子書店での購入って、やっぱりリスク高いよね」と、電子書籍そのものがユーザーに敬遠されることになってしまうと思うのですが……寂しいなあ。

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