2012年6月28日木曜日

クリエイターと読者をつなぐコンテンツ配信プラットフォーム「cakes」がおもしろそう


磯崎哲也さんのブログ経由で知りました。


ウェブ配信・定額課金型のコンテンツ配信プラットフォームとのことです。まだ開始していないので、詳しい内容はプレスリリースやサイトに貼ってあるCEOのインタビューからしか判らないのですが、非常におもしろそうな気配がします。


ボクの理解では、これは「有料メルマガ」へのアンチテーゼです。



プレスリリースから「cakesの特徴」を引用します。

読者向けとしては…
  • 定額課金(週150円)で読み放題のメディアサイトです。
  • 徹底的に読みやすさにこだわってデザインや機能を設計しています。
  • 読者の好みに応じて表示順を最適化するアルゴリズムで、求める記事に出会えます。

下2つは実物を見てみないとなんとも言えませんが、週150円の定額読み放題というのはおもしろい。コンテンツの提供者や量がどの程度になるか次第ですが、このくらいの金額で様々な著者のコンテンツを読めるというのを「お値打ち」と感じさせてもらえるくらいの内容だったらいいなあと思います。そこらの週刊誌よりより断然安いわけですからね。


ボクが特におもしろいと思ったのは、クリエイター向けの部分です。

クリエイター、コンテンツホルダー向けとしては…
  • ウェブベースのコンテンツ配信プラットフォームなので多彩な表現が可能です。
  • 利用者別に最適化されたトップページで、適切な読者にコンテンツを届けられます。
  • 収益は読まれた量(クリックされた量)に応じて分配されます。
  • マーケティングの機能が組み込まれているので、ソーシャルメディアを使って読者を自然に広げることができます。
  • ソーシャルメディアで告知していただいた結果、購読者が増えたときは、別途マーケティングフィーをお支払いいたします。
  • チームでものづくりをする仕組み(メンバー集め、契約、お金の分配などのマネジメント機構)がすべて組み込まれているので、クリエイターはものづくりに集中できます。
  • 連載した記事を後から本にしていただくことも可能です。逆に、書籍、雑誌、メルマガ等ですでに掲載された記事の宣伝・マネタイズの場としてご利用いただくこともできます。
(※太字下線はボクが追加しました)

ボクが定期購読している雑誌は「アフタヌーン」だけですが、全部は読まないんですね。つまらないから読み飛ばす作品もある。ヘタをすると、毎週買ってる雑誌でも、お目当ての作品が1つや2つだったりする場合もあるわけです。要は、不人気作品の著者への対価を、人気作品の収益で賄っているというのが、実際の定期刊行物の実態だったりします。

ところがこのcakesの場合、読まれた量に応じて著者への配分が決まるという、非常にシビアな仕組みになっています。コンテンツへの評価がそのまま収益になるというわけです。

また、読者数を増やすという営業活動にも対価が支払われるというのもおもしろい。Gumroadやloftworkのように、著者が直接手売りする感覚とも似た仕組みになっているということなのだと思います。



さて、ボクがなぜこれが「有料メルマガへのアンチテーゼ」だと思ったか?という話です。少し前に、映画評論家の町山智浩さんが、こんなことをつぶやいていました。



一般論を述べているようで、上杉隆さんへの批判だったりするわけですが。要するに、閉じた世界で自分だけを目当てにしている読者に対し、毎週ネタを配信し続けなければならないため、独善的になりやすく、ネタ切れによる質の低下を招きやすいというところに有料メルマガの問題があるわけです。

恐らくこのままいくと、質の低下した有料メルマガに嫌気が差し、離れていくユーザーが増えていくのではないかとボクは予測しています。

しかし、同じ定期購読という仕組みでも、cakesのように他にも著者がいる媒体であれば、仮にネタ切れして休んでも読者に与える影響は小さくできます。要するにリスクと価値を分散できるわけです。もっとも、「ハンターハンター」の冨樫義博さんみたいに、いきなり何ヶ月も休むとかいうのはまた話が別です。

また、このサービスを提供する会社のCEOが、元編集者(岩崎夏海さんの『もしドラ』を担当)というのも期待している部分です。「チームでものづくりをする仕組み」に編集的機能があるのかどうか。著者が提供するコンテンツをただ垂れ流すのではなく、プロの編集者として内容に関与することで高い質を保ってくれるのではないか?という期待があります。もっともこの辺りは、想像でしかありませんが……。

というわけでなんか面白そうなので、とりあえずメールアドレスを登録して最新情報を待つことにしました。最初に「おお!」と思わせる執筆陣をどれだけ用意できるか、それで定期購読読者をどれだけ集められるかが鍵になるでしょう。期待。



[追記]
CEOの加藤貞顕さんがこのエントリーについて言及してしてくれたので、ボクの想像について尋ねてみました。





想像通りだったようです!これは期待!!

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