2012年6月23日土曜日

違法ダウンロードが原因で売上が落ちたのであれば有償で音楽を聞く人の「数」も減っているはずなので確認してみました

引き続いてこの話題を。

もし「インターネットの普及とともに違法ダウンロードが蔓延したので売上が落ちた」という主張が正しいのであれば、違法な手段で手に入れた人がお金を払わなくなったということですから、有償で音楽を聞く人の「数」も減っているはずです。そこで、売上額の推移とともに、販売枚数・回数がどうなっているか確認をしてみました。

まず、売上額の推移をチェックしましょう。


[出典] 日本レコード協会ウェブサイト(※以下のグラフも全て同じです)

なお、有料音楽配信売上実績は2005年以降のデータしか開示されていません。

CDなど物理メディアの売上ピークは1998年で、約6,075億円です。これが2011年には約2,819億円と、半分以下まで落ち込んでいます。データ配信による売上はピークの2009年でも約91億円なので、CDの減った分を全く取り戻せていないという悲惨な状況になっています。

積み上げ式のグラフも参考までに。



では、これを販売枚数・回数で見るとどうなるでしょうか?





CDなど物理メディアの枚数ピークは売上同様1998年で、約4.8億枚です(※シングル・アルバム合算です)。これが2011年には約2.6億枚まで減っています。ところが、有償データ配信回数は、2008年に約4.8億回を記録しています。奇しくも物理メディアのピーク枚数とほぼ同じです。データ配信は曲単位なので単純比較はできませんが、こういう偶然は面白いですね。

積み上げグラフで見てみましょう。



データが無い2004年以前は傾向から推し量るしかありませんが、どうも有償で音楽を聞く人の「数」は減っているどころか、2007年まで増え続けていたように見えますね。繰り返しますが、もし「インターネットの普及とともに違法ダウンロードが蔓延したので売上が落ちた」のが正しいのであれば、有償で音楽を聞く人の「数」も減っているはずですよね。

ちなみに、有償データ配信数は2008年がピークになっています。せっかくなので、中身をもう少し細かくチェックしてみましょう。



ご覧いただいた通り、モバイルの有償配信数は2008年をピークに激減しています。ちなみに、インターネット・ダウンロードの有償配信数は、それほど多くはないとはいえ増え続けています。ではモバイルの中身を更に細かくチェックしてみましょう。明細のある2006年以降のデータです。



「着うた(Ringtunes)」は2007年の約2.2億回がピーク、「待ちうた(Ringback tunes)」は2011年の約1.1億回がピーク、「着うたフル(シングルトラック)は2009年の約1.4億回がピークです。

ちなみにiPhone3Gの日本発売が2008年7月、つまりスマートフォンの普及と反比例して、モバイルの有償配信は減ってきているという状況が伺えます。

さてこれらのデータから何が言えるでしょうか?「インターネットの普及とともに違法ダウンロードが蔓延したので売上が落ちた」という主張は正しいでしょうか?

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