2012年6月18日月曜日

違法ダウンロードが刑事罰化されるので、どういう行為がダメなのか、もう少し細かくチェックしておこう

警視庁
(※写真:写真素材 足成より)

違法ダウンロード刑事罰化については、自民党と公明党による修正案が衆議院の会議録にまだ載っていないので、今の段階では報道されている概要から推し量るしかありません。


  1. 私的使用の目的をもって
  2. 有償著作物等の著作権または著作隣接権を侵害する、自動公衆送信を利用して行うデジタル方式の録音または録画を
  3. 自らその事実を知りながら行って著作権または著作隣接権を侵害した者は
  4. 2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金に処し、またはこれを併科すること

2番目に関しては、「有償著作物『等』」とあるので、有償無償は問わないものだと解釈します。つまり、著作権法第30条(私的使用のための複製)1項3号の条文は現状のままで、罰則規定が追加されただけのはずということを前提として以下話を進めていきます。



著作権法第30条1項3号の条文は以下のとおりです。

3.著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行う デジタル方式の録音又は録画 を、その事実を知りながら行う場合

ではこれを「違法化」された2年半前に書かれた記事に基づいて考えていきましょう。なお、ボクは法律の専門家ではないので、間違っていたらゴメンナサイ。ちなみにこの2年半で、「違法ダウンロード」による民事訴訟は1度も例がありません。


Q1:ダウンロード違法化の対象となるサービスは?

当時の記事では「違法な着うたサイト」や「ファイル共有ソフト」が挙げられていますが、「自動公衆送信装置」すなわちサーバーにアップロードされているファイルを、ユーザーが誰でも任意でダウンロードできる形のものは全て対象になるので、例えば「掲示板」や「アップローダー」であったり、「オンラインストレージサービス」での共有リンクなども対象になると思われます。


Q2:違法ダウンロードを行ったユーザーは逮捕される?

ここが今回の改正で変わる点ですね。逮捕され刑事処罰されるようになります。


Q3:ファイル共有ソフトを起動しただけで違法になる?

当時の記事にもあるとおり、起動しただけなら問題ないはずです。


Q4:ファイル共有ソフトで音楽や映像のタイトル名でファイルを検索してダウンロードした場合は違法?

当時の記事にもあるとおり、これは違法とみなされる可能性が非常に高いです。


Q5:ファイル共有ソフトで音楽や映像のジャンル名(コミック、ドラマなど)でファイルを検索してダウンロードしても違法?

これも当時の記事にもあるとおり、違法とみなされる可能性が非常に高いです。

つまり、現状でもWinnyやShareなどに違法ファイルをアップロードしている人がバンバン逮捕されていますが、これが今後はダウンロードする人にも及ぶということになると思われます。


恐らく施行後に、見せしめ逮捕がバンバン起きるのではないでしょうか。ファイル共有ソフトを常時起動してファイルを漁っているような人は、警察に既にマークされていると思った方がいいと思います。なお、法改正は遡及適用されないので、過去の使用歴が問われることはありません。


Q6:海外のサーバーに違法アップロードされた音楽や映像をダウンロードするのは違法?

当時の記事にもあるとおり、違法です。


Q7:「Skype」や「Windows Live Messenger」などで音楽や映像の受け渡しをすることは違法?

メールに添付して送信などもそうですが、送り手が[送信]ボタンを押すなどの個別アクションが必要な場合は「自動公衆送信」とはみなされないので、受信側が罪に問われることはありません。つまり、勝手にメールで違法ファイルを送りつけておいて相手を逮捕されるような行為はできません。


Q8:専用ツールを使ってYouTubeやニコニコ動画から動画をダウンロードするのは違法?

「違法にアップロードされたファイル」だということを知っててダウンロードしたら違法です。恐らく投稿主のコメントに「拾い物です」などと記載されていたら、「知っていた」とみなされる可能性が高くなると思われます。

ちなみに、ストリーミング方式で配信されている動画を視聴して、パソコンに残ったキャッシュはダウンロードとはみなされません。ただし、キャッシュから拾い上げたらアウトです。


Q9:YouTubeやニコニコ動画で提供されている権利者の動画と違法動画の見分けが付かなかったというユーザーはどのように扱われる?

公式なのか無断転載なのか見分けが付かなかったのであれば、「知ってた」とはみなされないということのようです。「公式」だと偽っているケースもあるでしょうし、公式が黙認しているケースもあるでしょう。

例えばYouTubeには「コンテンツIDプログラム」というサービスがあって、権利者が違法アップロードを見つけた場合に、「広告収益を受け取る」というオプションがあります。つまり、権利者が広告収益を受け取る代わりに、違法アップロードを見逃すというケースもあるのです。

正直言って、YouTubeやニコニコ動画にアップロードされているファイルが違法か合法かを完全に識別するのは、至難の業だと思います。


Q10:2ちゃんねるなどの掲示板では、画像などをまとめて全部欲しいというユーザーが「ZIPでくれ」などと書き込むことがあります。音楽や映像のファイルをまとめたZIPファイルのリンクが掲示板に貼られて、それをダウンロードした場合は違法?

「ZIPでくれ」は「教唆行為」とみなされる可能性があるそうです。ただ、対象となるのは「デジタル方式の録音又は録画」なので、「画像」や「文章」であれば違法にはならないはずです。ここの解釈が報道によっては若干食い違っているのが気になるところです。「著作権法第30条1項3号が変わっていなければ」と前置きしたのは、これが理由です。


Q11:掲示板にリンクを貼られたZIPファイルにパスワードが付いている場合でも違法?

パスワードが厳重に管理され「誰でもダウンロードできる状態ではない」なら、「自動公衆送信」とはみなされない可能性があるようです。


Q16:違法ダウンロードを行ったユーザーへの訴額はどう決まる?
Q17:ちなみに、民事訴訟を起こされた場合の弁護士費用はどれくらい?

この辺りは刑事罰化とは関係しない(民事訴訟を起こされればもちろん関係する)ので、詳細は元記事をご参照下さい。


Q18:極端な話、ユーザーは「違法とは知らなかった」と言い張れば違法にはならない?

犯罪事実については原則として訴追側に挙証責任があるので、「違法だと知っていた」ことを証明しなければならないのは検察官です。例えばTwitterなどに「違法ダウンロードしたったwww」みたいな書き込みをしていればアウトでしょう。仮に2ちゃんねるのような「匿名掲示板」でも、誰が書き込みしたかを辿ることは可能(プロバイダ責任制限法)なので、犯罪自慢的な発信をした履歴があればアウトだと捉えた方がいいと思います。


Q19:違法ダウンロードの抑止効果が見られなければ、罰則が導入される可能性もある?

抑止効果が見られなかったかどうかは判りませんが、ゴリ押しで導入されてしまいました。

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