2012年4月5日木曜日

電子書籍ストアレビュー「紀伊國屋書店Kinoppy/BookWebPlus」

[追記:2015.10.25]「紀伊國屋書店ウェブストア」にリニューアルして、bookwebplus.jp ドメインが消えてしまったため、表示がおかしくなっている箇所がありますが、あくまで「当時の状況」を保全する意味でなるべく残しておきます[追記ここまで]

第2回目は、「紀伊國屋書店Kinoppy/BookWebPlus」です。

http://bookwebplus.jp/

表示は「BookWebPlus」となっていますが、実体は紙の本を購入できる「BookWeb」の中の電子書籍コーナーという状態ですね。

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/

消費者に最も近い位置にいる、書店によるプロダクトというのが期待させられます。実際、利用者の声を聞いていると、結構評判がいいんですよね。昨日の「GALAPAGOS STORE」があまりにも酷かったので、いい比較になると思い、2番目に取り上げさせて頂きました。



レビューはこちらの記事の
・ラインナップが充実していること
・読みたい本を簡単に探せること
・簡単に買えること
・いつでもどこでも簡単に読めること
・いつまでも保管できること
という5つの要素に基づいて行わせて頂きます。

※このレビューは投稿時点でのサービス内容に基づいています。

ラインナップは充実しているか?


紀伊國屋書店の電子書籍事業部に問い合わせてみたところ、約4万件あるとのことでした。実際に「BookWebの電子書籍コーナー」で検索すると、こんな感じになりました。
ジャンル件数注意点
文芸約14,000日本文学・海外文学・ミステリー・ノベルス・ハーレクインなど
ライトノベル約3,600角川スニーカー・ガガガ・ルルル・講談社X
コミック約12,000児童・少年・少女・レディース・青年・コミック文庫・その他
趣味・生活約3,000料理ドリンク・エンタメ・スポーツ・アウトドア・健康など
ビジネス1,147小ジャンルは自己啓発のみ
経営129小ジャンルなし
経済68小ジャンルなし
社会370教育・社会学・社会問題・福祉・政治・外交・防衛・法律
人文580宗教・文化・心理・日本史・世界史・哲学など
学術・教養1,751小ジャンルなし
語学206小ジャンルなし
芸術192映画・音楽・絵画
児童書149絵本・学習・読み物
医学・薬学・看護50看護・精神医学・東洋医学・薬学
コンピュータ119小ジャンルなし
サイエンス66小ジャンルなし
就職・資格・学参46小ジャンルなし
地図・ガイド132小ジャンルなし
その他1,680コミック・アニメ・写真集・読み物(※成人向け)
(※2012.4.5時点)
件数が多いところは表示が「約」になってしまうのと、開くたびに微妙に出る数字が変わるので、正確な数字はわかりませんが、単純にこの表で合計すると39,285件あります。ただ、ご覧になって分かる通りラインナップには結構偏りがあります。
文芸件数
日本文学約8,500
海外文学452
ミステリー607
ノベルズ932
ハーレクイン約2,400
レディース文庫69
エッセイ538
ノンフィクション400
古典3
詩歌31
評論・ガイド42
その他182
(※2012.4.5時点)
ちょっと不思議なのがライトノベルジャンル。
ライトノベル件数
角川スニーカー文庫106
ガガガ文庫272
ルルル文庫163
講談社X文庫375
(※2012.4.5時点)
ライトノベルジャンルを表示した時には約3,600件と出てくるのですが、小ジャンルの検索結果を合計すると916冊なんですね。「ん?盛ってるのか?」と思ってよくよく調べると、富士見ファンタジア文庫、MF文庫J、講談社ラノベ文庫、ファミ通文庫など、小ジャンルには表示されていない文庫がいっぱいあるんです。なんでこんな小ジャンル分類をしているのか謎です。

もしかしたらこの4文庫だけ優遇しているのでしょうか?まだ件数がそれほど多くない今のうちに直した方がいいのではないかと思います。データベースのマスターを変更するのは、ものすごく勇気と根気がいりますけどね。


読みたい本を簡単に探せるか?


「BookWeb」の「電子書籍」トップページは、左に「ジャンル一覧」、中央にピックアップ「一般書」「コミック」「ライトノベル」、右にベストセラー(ジャンル関係なし)という表示になっています。

個人的には、「ジャンル」分類が微妙だなーという気がします。「BookWeb」は紙の本も買えるようになっているので、もしかしたらそのジャンル分類に縛られているのか?と思ったのですが、例えば「和書」で「文庫」の「ティーンズ・少女」を開くと、文庫名がずらっと並ぶので、そういうわけでもなさそうです。

「和書」を見ると左カラムには「ジャンル一覧」の下に「出版年月」「著者」「出版社」「ジャンル」と様々な絞り込み方法が表示されるのに、「電子書籍」ではできないというのも不満な点です。ただ、「和書」で検索した時に「電子版あり」という表示とともに、電子版の価格も一緒に表示するというのはなかなか親切ですね。あまり安くないですが(※ものによるとは思います)。

キーワード検索はなかなか優秀で、単語を入力すると下図のように検索候補を自動表示してくれます。いわゆるサジェスト機能ですね。
GoogleからAPIが公開されているのでわりと最近は一般的かもしれませんが、こういうのをちゃんと実装しているサイトとそうじゃないサイトでは使い勝手が全く違ってきますので、重要な評価ポイントだと思います。

ちなみに無料お試し版は、用意されている書籍と無い書籍があるようです。試し読みできる書籍だけ検索できるといいんですが、そういう方法は無いようです。お試し版が.book形式の場合、T-time Plug(無償)をインストールすれば、会員登録をしなくてもブラウザで見ることができます。ただ、Chrome対応版が無いんですよね。これはボイジャーが悪い。ちなみにXMDF形式の場合、「Kinoppy」が起動します。また、Sonyの「Reader」はお試し版が別になっており、若干対応状況が異なるようです。

[追記]
「BookWeb」がSNSでの共有に配慮していないのは残念ポイント。商品詳細ページに共有ボタンが無いですし、Titleタグに書籍名が入ってないので、拡張機能などから共有しようと思ったらこんな表示になってしまいます。
共有に対応しておけばユーザーが勝手に宣伝告知してくれるんですから、この状態は非常にもったいないと思います。


簡単に買えるか?


購入には「BookWeb」の会員登録が必要です。サイト右上の[会員登録(無料)]というリンクから登録できます。

ステップ1は、プライバシポリシーと会員規約への同意です。

ステップ2は、注文情報の入力です。紙の本の注文もできるので、商品のお届け先情報という形になっており、氏名・フリガナ・メールアドレス・パスワード・住所・電話番号・性別・生年月日・支払い方法と、かなり多くの項目が必須入力になっています。

住所の入力は、都道府県以外全て手打ちで全角のみ対応になってます。項目が多いので、この辺りはもう少し入力補助して欲しいところ。しかし、パスワードが半角英数6~10文字ってあまりよろしくないんじゃないかなあ……。

同じ画面の下へスクロールすると、支払い方法の入力画面になっています。代金引換・紀伊國屋ギフトカード・クレジットカード決済が選べるのですが、代金引換を選んでおいて電子書籍を購入するとどうなるんでしょうね?(試しませんでした)

ちなみにクレジットカードは、VISA・MASTER・AMEX・シティカードダイナース・JCBなど、主要どころはだいたい使えるようです。また、iOSならアップル決済が使えるようです。

ブラウザから「BookWeb」にログインすれば、クリックだけで購入可能です。つまり、登録したメールアドレスまたはID番号とパスワードさえわかっていれば、どういう端末だろうと関係なく購入することができます。ただし、海外在住の場合ダウンロードできないようです。これは、海外への販売許諾を出版社から得られないためとのこと。馬鹿ですか。


いつでもどこでも簡単に読めるか?


「Kinoppy」のトップページにどーんと表示されていますが、「電子書籍に端末選択の自由を。」というキャッチコピーでマルチデバイス対応というのが売りになっています。
マルチデバイス対応=多様な端末に対応、という意味ですが、紀伊國屋書店の電子書籍のマルチデバイス対応は電子書籍を一度購入すれば多様な端末で再購入なしにお読み頂けます。
スマートフォンやタブレットを買い替えたり、本棚から誤って削除してしまったりした時にも、紀伊國屋書店でお買い上げ頂いた電子書籍はなくなりません。Kinoppyの各ストアまたはBookWebで購入の電子書籍は、スマートフォン/タブレットはもちろん、新登場のPC版Kinoppyでも、さらにはソニーReader™でも、再購入せずにお読み頂けます。
これが本来あるべき姿ですね。ただ残念ながら、Macintosh版Kinoppyの開発は「検討中(FAQ:2011年12月現在)」とのことです。

ちなみに「紀伊國屋書店 Kinoppy for Android」はAndroid2.2以上対応のため、ボクのXperia(SO-01B)にはインストールできません。つまり、ボクはXperia(SO-01B)から購入はできるけど、Xperia(SO-01B)で読むことはできないという状態です。残念。

またFAQによると、PCで最後に読んだページ位置は、AndroidやiOS端末で開いた時に同期されないようです。つまり、家でパソコンで読んでいて、続きを外出先で読みたい場合は、ページ数を自分で覚えておくしかない?


いつまでも保管できるか?


少し前に、一部の出版社は再ダウンロード期間が購入から1年間という制限があるという騒ぎが起こりましたが、どうやらこれはストアからの再ダウンロード期限だったようで、一旦購入した履歴は「本棚」という形でアカウント別に保管されるので、紀伊國屋書店が潰れない限りKinoppy/BookWebPlusのサービスが存続する限り、無くなることはないようです。

[参考]
余談ですが、ブックマーク数があまりに違うので、表記を修正する前の情報(期限がある)で認識してしまっている人が多いかもしれませんね。負の情報は拡散しやすいけど、それを打ち消す情報は拡散しづらいという典型例だと思います。



結論


細かな不満は若干ありますが、非常に消費者のことを考えた便利なサービスだと思います。これならAmazon/KindleやAppleにも対抗できるのでは?「GALAPAGOS STORE」と一緒にされて国内勢と表現されてしまうのが可哀想な気がします。

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