2011年12月29日木曜日

「炎上マーケティング」に乗らないようにするためには

いつ頃から、多くの人々から反感を買うような突飛な主張や極論を言うことによって、意図的に注目を集めることを、「炎上マーケティング」と呼ぶようになりました。

掲示板やブログなどで「突飛な主張や極論」を言ってしまい、反論や苦情が殺到し収拾がつかなくなる状況を「炎上」と言います。これを、ページビューを増やす目的で意図的に行うのが「炎上マーケティング」です。

これは、Webコンテンツから効率的に収益を得る方法が「広告」以外にはなかなか無いことから生み出された手法だと思われます。扇情的な見出しで耳目を集めるというのは、電車の中吊り広告を利用する「週刊誌」や「スポーツ紙」のやり方ですが、要するにそれをWebに転用したような感じですね。




ボクにはまだよく判らないのですが、GoogleAdSense や Amazon などのWeb広告の効果というのは、だいたいページビューに比例するそうなんですね。要は、ネタは何でも構わないので、ページビューさえ増やせば、それだけ広告収益が期待できるということのようです。

この「ネタは何でも構わない」という所が、「炎上マーケティング」を生み出した素地なのでしょう。Webサイトはそれこそ星の数ほどありますので、とにかく綺麗事なんかどうでもよくて、目立つためには何でもアリというポリシーを持つに至った人々が、なりふり構わずこういった手法を使っているのだと思います。

例えば、「ハムスター速報」というボクが大嫌いなサイトがあります。ここは「2ちゃんねるまとめサイト」の1つで、巨大掲示板2ちゃんねるに書き込まれた嘘か本当か判らない情報を、面白おかしく編集して1本の記事にする、という形の情報発信を行なっています。

もちろん「2ちゃんねるまとめサイト」にもピンからキリまであって、良質な情報を発信しているところもあれば、酷いところもあります。ボクは、「ハムスター速報」は特に酷いところの1つだと思っています。どんな酷いことをやっているか、詳しくは下記リンク先の検証を御覧下さい。

ハム速のデマです - Togetter
http://togetter.com/li/202545

みなさんハムスター速報のデマに気をつけてください! - Togetter
http://togetter.com/li/206357

以前はこういうのも、例えば「週刊SPA!」や「東スポ」と同じように、「エンターテイメント」として捉え笑い飛ばすことができたのですが、東日本大震災と福島第一原発事故をきっかけにして、目立つためには何でもアリという傾向が尖鋭化し、見るに耐えなくなってきました。

さらに困ったことに、近ごろは自作自演の手法が定着してきてしまったようです。いわゆる「マッチポンプ」ですね。

例えばまず、ニュース配信を行うサイトが、わざと突飛な主張や極論・誤解を招くような題名の記事を書きます。それを読んだ人は、Twitterへ投稿したり、2ちゃんねるにスレッドを立てて、多くの人の目に触れるようにします。

わりと題名だけを読んで脊髄反射する人々も多いので、誤解されたまま情報が拡散されていくことも多いようです。そしてそのありさまが、Togetterにまとめられたり、2ちゃんねるまとめサイトの記事になったりします。

こういった情報を記事にまとめる人は、とにかく耳目を集めるため面白おかしく編集するため、極端に偏った記事ができあがります。まあ、人の手が介在する限り、完全な客観性を保持することなど不可能なのですが、中立的で極力客観性を保った記事よりも、意図的に偏った扇情的な記事の方が、良い意味でも悪い意味でも注目を集めやすいんですね。

こうして「まとめ」られた記事は、ノイズが省かれているため状況を把握しやすいという利点があります。反面、記事にとって不都合な情報が、編集者によって意図的に省かれいる可能性も高いです。つまり、読んだ人の思考を一定の方向へ操作しやすくなります。俗に言う「釣られる」という状態ですね。

釣られた人々は、さらにこの「編集された判りやすい情報」を拡散していきます。すると、「ネットで話題の情報」ということになり、ニュース配信サイトの記事にされます。「ネットで話題の情報」として記事にするニュースサイトは、出発点のニュースサイトとは別のところなのですが、実は仲良しで、相互にこの自作自演を行なっていたりするんですね。

中間点の「2ちゃんねるにスレッドを立てる」行為も自ら行なっていたり、まとめサイトの編集者もニュースサイトと仲良しだったりしますので、要するに目立つためには何でもアリという互助関係を結んでいるような状態、と言うことができるでしょう。

こういった「題名で釣る」記事を配信するニュースサイトには、例えばMSN産経ニュースやロケットニュースなどがあります。産経は歴史のある全国紙ですが、釣り記事が非常に多いですね。

では、こういった「炎上マーケティング」に乗らないようにするためには、どうしたらいいでしょう? 実は対処方法はシンプルで、「炎上マーケティング」を行う所は無視することです。脊髄反射で釣られるのも、「これは酷い」と記事内容に反発するのも、相手にとっては「注目を集める」という意味では同じなんですね。何しろ、ページビューさえ増やせば目的は達せられるのですから。

どうしても無視できないような情報の場合は、とにかく疑ってかかることでしょう。とあるフリージャーナリストが以前、面白いことを言ってました。「(自分の名前)の情報を信じるな」と。要するに、「私は間違った情報を流すことがあります」と言っているわけですね。「私は嘘をつくことがあります」と捉えてもいいかもしれません。情報元になっている人をどれだけ尊敬していようと、鵜呑みにしては駄目だということです。

人間は、必ず過ちを犯します。失敗しない人はいません。いきなり「嘘だ!」とか「デマだ!」と決め付けるのも良くないですが、まずは疑いましょう。流れてきた情報に対する反論や、異なる視点の情報が無いか、探しましょう。多くの場合、記事にはTwitterでつぶやかれた回数や「はてな」でブックマークされた回数などが載っており、クリックすればどのような反響があったかを簡単に調べることができます。ざっと眺めてみて、反対意見に耳を傾けてみるといいと思います。余談ですが、Facebookの「いいね!」ボタンはこれができないので、ボクは嫌いです。

TwitterやGoogle+などのSNSは、自分でフォローする対象が選べるので、流れてくる情報は自然に自分の好みにあった心地いい情報に限られてきます。便利なようですが、実は視野は確実に狭まります。狭まっていることに気づかず、仲間内だけで「信じたい情報だけを見てしまう」ような状況に陥ることがある、ということを認識しておきましょう。

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