2011年12月20日火曜日

【書評】ジェイムズ・P・ホーガンさんの「巨人たちの星」を読んだ

星を継ぐもの」・「ガニメデの優しい巨人」に続く、シリーズ第3弾です。前作のラストシーンで、巨人の星へ向けて発せられた信号が、本来なら届くまで数年かかるはずなのに、あっという間に返信まで戻ってきた、という所から今作に続いています。

巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))
ジェイムズ・P・ホーガン
東京創元社
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1作目は「謎解き」、2作目が「未知との遭遇」でしたが、3作目は「抗争」が物語の軸と言っていいでしょう。





これまでは一切「悪役」が登場しなかったのですが、今作はあからさまな嫌われ役が2人ほど登場するので、かなり作品の雰囲気が変わっています。しかしこの敵役の存在は、1作目からしっかりと伏線が張られているので、この構成は当初から想定されていた通りなんでしょうね。この辺りは見事だと思います。

「抗争」とはいえ艦隊戦や銃撃戦・白兵戦などの描写はほとんどありません。何しろ科学力が違いすぎる。味方の異星人には闘争本能が無い。つまり、情報戦や心理戦が中心となります。正直に言うと、少しご都合主義的な展開が多いな、という印象です。何しろ敵司令官が直情的過ぎる。こちらが想定した通りに「××だから○○に決まってる!この無能どもめ!!」と術中に嵌っていく。まあ、どう考えても地力に差がありすぎるので、ご都合主義的でなければ勝つことなどできないのでしょうけどね。なんとなく「インディペンデンスデイ」を思い出しました。典型的なハリウッド映画的展開。爽快ではありますが。

余談ですが、敵の通信傍受をかいくぐるために、新聞のクロスワードパズルを使ってやり取りをする、という場面があります。むかし読んだ推理小説を思い出しました。たしか、紙面に実際のパズルが載っているようなのがあったと思いますが、タイトルや内容は忘れてしまいました。シャーロック・ホームズか、怪盗ルパンのシリーズで、そういうの無かったですかね? 本作では、さすがにそこまではやらないですが、例えば問題文が「難航が予想される場合の誘導灯(六文字)」といった具合なので、答えは英語圏の人じゃないと判らないし、翻訳も難しいでしょうね。


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