2011年12月19日月曜日

【書評】ジェイムズ・P・ホーガンさんの「ガニメデの優しい巨人」を読んだ

星を継ぐもの」の続編です。前作の冒頭でちょっとだけ登場し、あとは謎の存在だった「ガニメアン」と人類の邂逅を描いた物語です。

ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)
ジェイムズ・P・ホーガン
東京創元社
売り上げランキング: 1405

前作の感想で、ボクは「ストーリーは基本的に謎解きだけ」ということを書いたのですが、本作では少し方向性が変わっています。地球外の知的生命体とのファーストコンタクトをリアルに描いた作品です。


言葉の通じない相手と、どのように交流するか。本作のように、両者を仲立ちする存在というのが、平和的な邂逅には不可欠な要素なんだろうな、と思います。本作では、相手の持っている超高性能なコンピュータが、地球言語をあっというまに学習し翻訳者となることで、スムーズな意思疎通を実現しました。ちょっと都合がいいなあという気もしますが、コンピュータが言葉を覚えていくプロセスが、わりとリアルに感じられたのが作品に没入できた理由だと思います。

しかし、主人公とそのコンピュータとの会話が話中で最もウィットに富んでて面白いというのは、意図的なのか何なのか。基本的に中心的な登場人物は大半が「科学者」なので、事象を神秘的なものと捉えたり、感情的に受け止めることが殆どありません。だから、ガニメアンが地球へ降りる際に、人間たちのあまりの熱狂ぶりと、今まで会っていた人々とのギャップに困惑した、というエピソードが印象的でした。

今作も、最後に謎が解き明かされるのですが、これはかなり早い段階で解が予測できました。恐らくこの作品が発表された当時は、あまり一般的ではなかった知識が、今ではわりと普通に誰でも知っているようなことになっているからでしょう。詳細はネタバレになるので書きませんが、前作から伏線は張られているので、よく考えこまれた設定だなーと思います。

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