2011年11月9日水曜日

【書評】「日経ビジネス」2011.11.7号TPP特集を読んでいる→読んだ

どうにもTPP推進派の意見がうまく理解できなかったので、特集が載っている号を購入しました。ネットで見かける推進派の意見って、否定派の否定をするだけで、推進するメリットを語ってない場合が多いんですよね。

ところで、日経ビジネスって最近はコンビニや書店に置いてないんですね。書店の店員さんに「kioskなら取り扱ってると思いますよ」と教えてもらえるまでに、コンビニを3箇所、書店を3箇所回ってしまいました。以前は定期購読していたので、まさかそんな状態になっているとは……という感じでした。えらい苦労させられましたよ。



とはいえネットにTPP加入に賛成する人の、"否定派否定" だけではないまともな意見が無いわけではなく。

TPPは亡国の政策か救国の政策か

(上) 「自由貿易とFTAについて考える」
(中) 「本当に重要なのはTPPに加入した後の戦略」


ちょっと長いけど引用します。

TPP擁護論を展開する時に、しばしば「グローバル化の流れは避けがたいのだから」という指摘が出る。確かにその通りではあるが、TPPはグローバルの流れが避けられないから推進するというわけではない。 最終的には、国民一人ひとりを幸せにするために推進されるものである。 なぜ自由貿易を推進すると国民はより幸せになるのか。それは自由貿易の経済的メリットが非常に大きいからである。

自由貿易のメリットを説明する基本的な考え方は「比較優位の原則」である。これは、自国が「相対的に」(絶対的にではない)得意な分野に資源を集中させてこれを輸出し、「相対的に」不得意な分野からは資源を撤退させて輸入する。そうすれば「分業の利益」が発揮されて、各国経済、世界経済全体がより豊かになるはずだ、という考え方である。

要するに厳しい言い方をすれば、何でもかんでも自前主義で "自国の産業を守る" という名目で高い関税を課したり税金から補助金ぼんぼん投入して過保護にして堕落させるより、厳しい環境に放り出してダメになるような所からは身を引いて得意分野に集中特化しましょうね、ということだと理解しました。

はじめから日本に資源がほとんど無い分野で考えると判りやすいのかなーと思います。石油なんか日本でも採掘できないことはないけど、産油国から買ったほうが圧倒的に安い。昔からガンガン輸入している。そしてそれを加工した製品を輸出しているわけです。もし「日本の石油産業を守れ!」みたいな業界団体があったとして、本当に守っちゃったら……と想像すると、税金ガンガン注ぎ込んで高い原油を掘り出して価格競争力のない加工品を生産するハメになるわけですよ。そりゃ勝てない。

まだ本誌は読んでいる途中なんですが

Q.「TPPに加入するとどうなる?」
A.「厳しい競争の渦に放り込まれます。誰も守ってくれません」

という話だから、「TPPに加入するとどんなメリットがある?」と言われても説明しづらいよなあ、というのがだんだん判ってきました。読み終えたら追記します。

--- とりえあず特集部分はひと通り読んだので追記(11.14) ---

うーん、もっと個々の分野を掘り下げて欲しかったというのが正直な感想。一応、21分野全てのメリット・デメリットが挙げられているけど、それは冒頭の見開き2ページだけ。ぶっちゃけ、非常に薄っぺらい

nikkeiBP2

で、あとは農業関連の話、現時点では交渉参加していない中国・韓国の話が中心でした。特に、「関税障壁を撤廃する余地は大きい」として挙げられている表に載っているのがアメリカ・中国・韓国・インド・EUと、アメリカ以外はTPPと無関係という。まあ、日経ビジネスの論調としては「中国・韓国・EUを巻き込め」なので、その文脈の中にあると考えれば「間違いではない」のだけど、「TPPでどうなる?」という話の中に混ぜ込むには、ちょいと無理があるんじゃないかなーという気がする。

nikkeiBP

ISD条項(国家対投資家の紛争処理条項)に触れてないのもマイナス点。タイムリーな話題についていけていないのは週刊誌の編集上の限界なのかな? そういう意味では、11月4日時点で既にこういうエントリーを書いている民主党議員さんの情報の方が役に立った。

TPP:ISD条項は治外法権か?|金子洋一「エコノミスト・ブログ」
http://blog.guts-kaneko.com/2011/11/post_582.php

個人的には、「知的財産」に関することをもっと掘り下げて欲しかったなー。これならわざわざ購入しなくても、ネットの情報読めば済んだよ。苦労したわりに、非常に残念な買い物でした。

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